「好きだって気持ちは止められない」、一方通行の恋のもどかしさが増した第6話<推しの王子様>

2021/08/20 11:15 配信

ドラマ レビュー

瀬戸利樹が演じる有栖川の言葉に共感(C)フジテレビ

比嘉愛未主演のドラマ「推しの王子様」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第6話が8月19日に放送された。自分のことで泉美(比嘉)が賭けをしていたと知った航(渡邊圭祐)が失望。そんな航に人を好きになることについてアドバイスした有栖川(瀬戸利樹)の言葉は心を打つものだった。(以下、ネタバレがあります)

有栖川が航に恋のアドバイス


本作は、乙女ゲームを制作するベンチャー企業の社長・泉美が、ゲームのキャラクターにそっくりな航を理想の男性に育てるため奮闘する“逆マイ・フェア・レディ”な日々を描くロマンティックコメディー。

前回、“好き”という気持ちが分からない航に同僚たちが教えようとし、その後、泉美と遊園地に出掛けた航は、同僚たちの言葉を思い返して、泉美に対する思いがそうではないかという様子が描かれた。一方、航に偶然“壁ドン”されることになった泉美も動揺を隠しきれなかった。もどかしい恋の始まりだ。

航が泉美を遊園地に誘うきっかけをつくったのは有栖川(瀬戸)だったが、第6話は、その有栖川のせりふが秀逸だった。

泉美と光井(ディーン・フジオカ)が自分を一人前に育てられるかで賭けをしていたことを知り、泉美の部屋を飛び出した航は、自分の気持ちが分からなくなっていた。そこで航は有栖川に「もし好きになった相手が自分のことを見てくれていないって分かったら、どうしますか?」と質問。

有栖川の答えは「別に付き合うことだけが大切じゃないと思う。好きな人が存在するってだけで素敵なことじゃん」「好きな人がこの世にいるってだけで、自分の居場所が見つかった気になるんだ。だから諦めなくていいと思うし、好きだって気持ちは大切にした方がいいと思う。何より好きだって気持ちは止められないしね」。

これまでも好きなものが人生を輝かせてくれるといった、“推し”への思いが共感を呼んできたが、今回はそこにも通じつつ、リアルな恋の相手への思いがつづられた。

歴史好きで、武将の武田信玄が最推しである有栖川だが、実は光井に思いを寄せているのだ。このシーンより前には「推しに会える日は命日」と言っていたが、「この世にいるってだけで~」という言葉はそれに対するもので、有栖川の密かな思いが込められていたように思う。