――撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
趣里:真摯に作品を作られているという空気がその場全体を包んでいました。(渡辺)大知くんがとっても真面目な方で、私も作品を作ることにエネルギーを注げたので、それも含めて幸せな現場でしたね。あとは大九監督の演出に委ねて…。
――大九監督は、趣里さんと渡辺さんに何かリクエストしたことなどはありますか?
大九:いや…何にもないですね。もう、脚本をお渡しして、現場で一緒に作っていただければと…。
――撮影をする中で、大九監督が思わずテンションが上がった場面はありましたか?
大九:ベッドにごろんとなるシーンの段取り(本番前)の段階で、「ここでこうして寝転がります…」って言いながら動きの確認をしていたら、大知くんが趣里さんを寝かせるところで、趣里さんの頭の後ろに“ぽっ”と手を添えて寝転がせたんですよ。その時の手がとってもきれいで、思わず「手ー!!もうこいつー!」ってうれしくなっちゃって(笑)。
お二人が演じている月子と陽太を見ていると、「なんてかわいいカップルなんだろう、良かったな~!かりそめの幸せを味わえ~(笑)」って、とても幸せな気持ちになりました。
趣里:一瞬の…(笑)。
――趣里さんは、渡辺さんと話し合いながら作り上げた場面はありますか?
趣里:それが、実はなくてですね…(笑)。映画「勝手にふるえてろ」(2017年)では同じシーンがなかったので、今回がはじめましてだったのですが、段取りで動きを確認して本番を迎えるというお芝居の中でコミュニケーションを取りながら作っていきました。でも、その距離感がすごく心地よかったですね。
――月子は陽太に“タメ口”で話し、陽太は月子に敬語で話すという距離感も良かったなと感じました。
大九:勢いでシナリオを書いたものを二人に託してしまったので、せりふに「陽太くん」って書いたり「陽太さん」って書いたりしていたんですが、それを忠実に演じてくれて…。
趣里:そこは思いました!
大九:大した意味はないんです(笑)。
趣里:そうだったんですね…!(笑)
大九:付き合う前の男女って呼び方も定まらないかなっていう意識もどこかにあって、無意識に二つの呼び名を書いていたのかもしれないですね。
――大九監督が特にこだわった点はありますか?
大九:短編なので、全てこだわりながら作りました。衣装合わせの時に、趣里さんが気に入ってくれた猫ちゃんのヘアピンがあるんですが、そのヘアピンを外すタイミングはこだわりました。ちょっとホラーっぽくしたり…。
趣里:あのシーンですね…(笑)。
大九:あのシーン大好き。
――最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
趣里:物語を楽しんでいただきながらも、皆さんの心に何か届くものがありましたらうれしいです!
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