<蒔田彩珠>「モネ」みーちゃん役で脚光、若手イチの“陰キャ演技”を武器に活躍

2021/08/28 07:30 配信

ドラマ コラム レビュー

未知役の蒔田彩珠「おかえりモネ」第68回より(C) NHK

“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。8月23日より放送された第15週「百音と未知」では主人公・モネこと百音(清原果耶)が、お天気コーナーの中継キャスターに大抜擢され、キラキラの笑顔で見事にデビューを飾った。それを観て浮かない顔をしたのが妹のみーちゃんこと未知(蒔田彩珠/まきたあじゅ)。地元に残った者と地元を出た者の相違は朝ドラでよく描かれるテーマのひとつ。主人公と対比になる役割で視聴者の注目を集める蒔田の魅力について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、ネタバレが含まれます)

未知は百音に罪悪感を覚えさせる

「おかえりモネ」第71回 百音(清原果耶)が中継キャスターに大抜擢 テレビに顔出しすることに(C) NHK

朝ドラのヒロインは「おしん」や「おちょやん」のように苦労続きか、翻って「まれ」や「なつぞら」のようにトントン拍子か両極端である。

「モネ」は、異論はあるとは思うが、比較的トントン拍子であり、気象予報士の試験は三度めで合格、東京でテレビの仕事もはじめ、中継キャスターに大抜擢。別人かと思うほど明るく爽やかに堂々と中継をこなす。医師・菅波(坂口健太郎)との関係も順調で初デートすることになった。

そんな姉を、じとっとした瞳で見つめているのが、気仙沼に残っている妹・未知である。

ふたり姉妹、仲良く見えるのだが、時々「お姉ちゃん津波見てないもんね」とか「お姉ちゃんずるい」とか百音を責めるようなことを言って百音に罪悪感を与える。

第75回では未知が密かに想う亮(永瀬廉)が、未知よりも百音に心を開くので「なんでお姉ちゃんなの…」と悲しい顔をした。

未知としては、震災のショックで気力を失っていた姉の代わりに自分がしっかりしなきゃと思って水産業の仕事に励んでいるのだが、地元を離れた姉が仕事も恋もうまくいっているみたいで、震災で被害にあった地元を支えようと頑張っている自分が報われないような気持ちになっていたたまれないのだろう。

そのうえ好きな亮の気持ちまで姉に向いているのだから、やりきれないのも無理はない。

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