「ピエロと呼ばれた息子~道化師様魚鱗癬との闘い~」YouTube第1話再生回数は1400万越え…担当ディレクターが感じた“家族の絆”と“無知の怖さ”とは

「ピエロと呼ばれた息子~道化師様魚鱗癬との闘い~」より第1話入園式の様子 (C)CBCテレビ

2020年6月、CBCテレビにて「ピエロと呼ばれた息子~道化師様魚鱗癬との闘い~」という道化師様魚鱗癬の少年・濱口賀久くん(4歳)と両親の生活を記録したドキュメンタリーが放送された。

その後、2021年4月より、CBC公式YouTube『CBCドキュメンタリーチャンネル』にて「ピエロと呼ばれた息子~道化師様魚鱗癬との闘い~」が定期配信型のドキュメンタリー番組としてスタートし、第1話は約1400万超、シリーズ計24話の累計が約4000万再生(2021年9月24日現在)を突破。多くの反響を呼んでいる。

道化師様魚鱗癬(どうけしよう・ぎょりんせん)とは――

道化師様魚鱗癬(どうけしよう・ぎょりんせん)とは、30万人に1人と推定されている難病。遺伝子に異常のある先天的疾患で、全身の皮膚が乾燥して魚のウロコのように剥がれ落ちる皮膚の病気だが、生後の皮膚の見た目がピエロの着る“道化服”に似ているところから、その病名がついている。

賀久くんの皮膚の保湿機能はほとんど失われていており、体中に痒みが出る。さらに、細菌やウイルスをはねのける皮膚の機能が極端に弱いため、感染症を防ぐためにもワセリンは頻繁に塗らなければならならず、夏でも常に長袖・長ズボンという服装で過ごしており、皮膚が固くなり変形があるため、左右の足には装具をつけなくてはならない。

道化師様魚鱗癬という病気を知っている、理解しているという人はまだ少なく、見た目から「火傷を負っているのでは」といった目で見られることもあるという。

【写真を見る】濱口さん一家の団らん風景(第8話より) (C)CBCテレビ

2019年「産まれてすぐピエロと呼ばれた息子」と題した本が出版された。著者は「ピエロの母」と名乗る、道化師様魚鱗癬の息子を持つ母親と息子のこれまでをつづったものだ。この著書のなかではすべて仮名で記されていたのだが、当時放送されたドキュメンタリーより実名で出演。それは、「息子の難病を少しでも知ってもらいたい」という両親の切実な思いと、悩んだ末の決断だった。

ドキュメンタリーでは、賀久くんがどのような日常生活を送っているのか、そして賀久くんの難病と向き合う両親の姿を追っている。このたび、番組を手掛けたCBCテレビの原誠ディレクターにインタビューをおこない、取材のきっかけや、番組への思いを聞いた。