尾上右近が『燃えよ剣』でスクリーンデビュー!「撮影のたびに感動して、毎回泣きそうになっていました」<インタビュー>

映画「燃えよ剣」に出演する尾上右近撮影=龍田浩之/ヘアメーク=Storm(Linx)、スタイリスト=三島和也(tatanca)

時代の流れを受け止めていただけたら

 
――歌舞伎以外にも活動の幅を広げていらっしゃいますが、中でもミュージカル「ジャージー・ボーイズ」への出演は驚きました。

演出を担当されている藤田俊太郎さんとご縁があり、「ラヴ・レターズ」という作品でも一緒にお仕事をしました。また、主演の中川晃教さんが、僕が出演しているラジオにゲストとして出演してくださったというご縁もあり、お誘いいただきました。「ジャージー・ボーイズ」は読売演劇大賞も受賞している藤田さんにとっても中川さんにとっても代表的な作品ですよね。

ご縁や心の繋がりによって舞台や仕事も繋がっていくのだなと感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。歌舞伎からミュージカルの世界に飛び込むという大きな挑戦ではありましたが、力みすぎず、呼んでいただいたからには全力で楽しくやりたいと思って取り組みました。

――他のお仕事での経験を歌舞伎に還元しようという思いもあるのでしょうか?

還元というより、毎回毎回仕事する場が居場所であり、歌舞伎が居場所であるというわけではないです。例えば今日でいうとこの取材が僕の居場所であって…。

ただ、自分の行動が歌舞伎をやる際に影響するということはあります。でも歌舞伎のために色んなお仕事をしているというわけではなく、その都度与えていただいたお仕事を楽しんでいるという感じです。
 
――最後に読者の方へメッセージをお願いします。

原田監督の作品にはエンターテインメント性のある迫力や美しさ、そして、強いメッセージ性もあって…。さまざまな思いの渦巻く激動の時代を切り取ったこの作品を、今の時代に見てもらえるというのがうれしいですね。

損得勘定や合理性ではなく、やると決めたことをやり抜く力の強さや信念があったから、今を生きる僕らもわずか6年しか活動しなかった新選組のことを知っているわけで…。そういった信念の強さが日本人の精神の中にあるということや、僕が演じた容保はルーツを重んじる人間。こういう時代があって、こういう人たちと共に生きた人々が日本を作ったからこそ、今の日本があるんだ、という時代の流れを受け止めていただけたらと思います。

間違いなくお勧めできる、絶対観てもらいたい映画です。どうぞお楽しみくださいませ!

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