<モネ>百音&菅波の“愛”を育んだ「東京編」振り返る!奇跡の再会→離ればなれに…

2021/09/25 07:30 配信

ドラマ コラム レビュー

「おかえりモネ」第95回 地元に戻る意思を朝岡(西島秀俊)に告げる百音(清原果耶)(C)NHK


朝ドラにおける東京とは


現代ものの朝ドラでは、地方で生まれ育った主人公が東京に出て来て、再び地元で活躍することになるパターンは少なくない。

大分→大阪→大分の「風のハルカ」(2005年度後期)、徳島→東京→徳島の「ウェルかめ」(2009年度後期)、東京→北三陸→東京→北三陸の「あまちゃん」(2013年度前期)、能登→横浜→能登の「まれ」(2015年度前期)などだ。

「半分、青い。」(2018年度前期)は岐阜→東京→岐阜→東京と行ったり来たりして、最終的にどこに落ち着くかは明示された感じではなかった。

2005年に地域再生法ができて首都一択ではなく地方で生きることが推奨されている中、朝ドラで描かれる日本各地の特色はとても魅力的に映る。

朝ドラで描かれた地域に心引かれ聖地巡礼に行った際、現代ものだとドラマで描かれているものを実際に体感できる楽しさが大きい。

おかえりモネ」の場合だと菅波が行ったとされるシャークミュージアムに行ってみたくなるし、登米の名産・組手什も興味深い。牡蠣だって食べたい。

地域を応援したいとすれば、地元だけを舞台にしたドラマでもいいのではないか。なぜ東京や大阪を間に挟むのだろうか。それは、半年もの長いドラマをわくわくしたものに保つためには、一種の冒険譚的な構造が最適だからである。

主人公が生まれ育った土地から外に出て冒険して、故郷に帰還する。他の世界を見た上で地元愛を一層募らせ、地元を選ぶことが大事なのであろう。

「モネ」でも百音が一度は故郷に背を向けたものの、やっぱり故郷が愛おしいという感情の震えがドラマを盛り上げた。