高橋文哉×鈴木仁、“ほぼ同じ空間”での撮影に「いろいろな意見交換ができました」<Interview>

インタビューに応じた高橋文哉と鈴木仁(写真左から) 撮影:永田正雄

――いろいろな要素が盛り込まれていますが、作品の印象をどのように感じましたか?

高橋文哉物語に影響する起点がたくさんちりばめられていて、常に先々が気になるような展開の速いドラマだなと思いました。僕らが演じる2人がどうなるのか先が読めない分、人によってはワクワクしたりドキドキしたり、ジャンルが多岐にわたるので、いろいろな人に刺さるんじゃないかなと思います。

鈴木仁7人全員が全然違うキャラクターなんですけど、危機感を覚えた時の人間の奥底にある考えや行動が、この作品では浮き彫りになっています。人間の心の闇や普通は語ることのない奥底にあるものを表現している作品を見るのが僕は好きなので、この作品はそういう人にも刺さるだろうし、新しい視点の見え方ができるんじゃないかなと思っています。僕自身もどのように映像に残っているのか見るのが楽しみですし、一緒に楽しめたらいいなと思います。

――撮影中盤まで後半の台本を渡されなかったそうですが、役作りは大変でしたか?

高橋:零としてはですけど、後半の台本を読んだ時に台本を隠してもらっていて良かったなと思いました。もし先に読んで知っていたら、きっとお芝居が変わっていただろうなと思うので。もともと自分の中にどうやって落とし込めばいいのか分からなくて、役作りにはすごく苦戦していたんです。

隠されていた時は絶対知っていた方がやりやすいと思っていたんですけど、いざ読んでみたら隠されていて良かったと思うので、制作スタッフの方々の優しさを感じましたね。

鈴木:監督からはテンションを一定にしてほしいと言われていて、冷静で落ち着いているキャラクター作りをしたんですけど、後半で豹変する姿を知った時に、予め意味付けをしなくても勝手にそういうキャラクター像につながっていたのが分かって、すごくありがたかったです。

もし後半のことを意識していたらきっと変になっていただろうし、素直に監督の助言のままに演じることで、ぶれない冷静さを持つ元を演じることができたので良かったです。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

鈴木:ほぼ同じ空間での撮影だったので、シーンごとに何かが変わることもなく、毎日みんなで集まって作り上げている空気がその場に残っていました。一定した気持ちのまま演じることができる良い環境でした。

高橋:普通の作品だとロケ場所ごとに会う人が違っていたりするんですけど、この撮影ではほぼ毎日みんながいて、会話する機会が多かったなと思います。テーブルを囲むシーンではみんなで話したり、1対1のシーンも多かったので個別に一人一人と話したりする機会もあって、いろいろな意見交換ができました。

――撮影期間を通して印象に残っているエピソードはありますか?

鈴木:生写真の撮影かな。

高橋:視聴者プレゼント用で撮っていたんですけど、だんだん楽しくなってきて、みんなで現場にカメラを持ってきては、パシャって撮るのが一つの楽しみになってましたね(笑)。