フルーツに寄生する虫を駆除する「蒸熱処理装置」を開発・製造する、企業の取り組みに迫る<世界一の九州が始まる!>

2021/09/30 17:30 配信

芸能一般

蒸気と熱のチカラで、パパイヤに寄生する虫を駆除する

10月3日(日)の「世界一の九州が始まる!」(毎週日曜朝10:15-10:30、RKB毎日放送ほかJNN系九州各局)は、MBC南日本放送製作の「“蒸熱”たぎらせ作物を守れ!」を放送する。同番組は、生産者、伝統工芸家、企業技術者、アスリートなど、さまざまなジャンルで「世界一」と誇ることのできる九州の魅力を紹介するドキュメンタリー番組。

昭和23年、「葉たばこ乾燥機」の製造を目的として設立した三州産業株式会社。そこで培った「熱管理技術」を応用し、鹿児島市にてビニールハウス用暖房機や食品乾燥機など、さまざまな農業関連機器の開発・製造を行っている。

その中で、世界トップシェアを誇るのが「蒸熱処理装置」。蒸熱処理装置とは、パパイヤやマンゴーなどの南方系フルーツに寄生する、ミバエ類の卵や幼虫を、蒸気と熱の力で駆除する装置。パキスタンやベトナムなどの生産者が、日本や欧州連合(EU)などに輸出する際に使用する。0.1度単位で温度をコントロールできるため、果物の鮮度を落とすことなく駆除できる装置だ。殺虫剤に比べ安全なのが人気の理由でもある。

海外プロジェクトの担当者、古垣洋次さんを中心に15カ国に装置を販売。さらなる販路拡大を目指していたが、コロナウイルスの影響で海外との取引がストップしてしまった。そんな中、2020年、鹿児島県で「サツマイモ基腐病(もとくされびょう)」の被害が深刻化し、前年と比べ収穫量が15%減ることに。

そこで注目されたのが「蒸熱処理装置」。蒸気の温度を調節し、「殺虫」するのではなく「殺菌」することで菌の発生を防ぐことができたと農水省が発表した。作物を守るために情熱をたぎらす、企業の取り組みを追う。