「演じることは生きること」ゴッホの絵を模写し続け…市村正親が語った驚異の役作り<初耳学>

2021/10/10 23:01 配信

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「日曜日の初耳学」に市村正親が登場! (C)MBS

俳優の市村正親が、10月10日放送の「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)に出演。林修のインタビューに答え、ミュージカル界のレジェンドならではの徹底した役作りと演技への熱い思いを語った。さらに、今注目しているという5人の後輩俳優についても打ち明けた。

「模写をすると、乗り移ってくる」


24歳の時に劇団四季でデビューした市村。「キャッツ」「オペラ座の怪人」「ミス・サイゴン」など、これまで出演した作品は実に101作。72歳にして日本のミュージカル界をけん引する大スターだ。

演技への思いも熱い。林先生が“感情を込めた表現”について「どうお考えですか?」と尋ねると、「感情は“込める”ものじゃない。感情は“出る”ものなんだね。出させるためにはどうしたらいいか。それは、役を掘り下げて研究して」と語り始めた。

舞台「炎の人」で画家ゴッホを演じた際には、ゴッホがどういう人間だったのかを“体験”し、耳を削ぐに至ったゴッホの感情を知るため、数カ月もの時間をかけてゴッホの絵のほとんどを模写。絵に心血を注いだゴッホに徹底的に向き合った。

「模写をすると、(ゴッホの感情が)乗り移ってくる」という市村。その時に描いた絵は本物と見紛うほどの完成度で、スタジオからも「えーっ!」「めちゃめちゃ上手!」と驚きの声が上がった。

ひたすらキャンバスに向かい、ゴッホに近づいていった。「(劇中で)描く場面があるんです。その時に、描いたものを破くっていう場面もあるんです。その時に“実感”が欲しいんです。演技は演技なんだけど、実は“生きる”ことなんですよね。架空の世界で違う役を“生きている”んです」と、舞台上で得る特別な感覚を、市村ならではの言葉で表現した。

家族の絆をテーマにしたミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」では、3人の娘を愛する父親の人生を生きた。「本当にそこにいるのは、女優さんだけど自分の女房であり、みんな自分の娘なんです。自分は父親なんです。父親の“ふり”をしているわけじゃないんです。次女がロシアの人とシベリアの方に行くときは『行かないでくれ』って自然に涙が出てくる。役作りをしていく上で、最終的に感情が出てきちゃう」と明かした。

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