最終回、キラキラした海辺に佇む百音を見ていたら、若い俳優が女の一生を演じる朝ドラもいいけれど、せっかく瑞々しい盛りの俳優にドラマの終盤、老け演技という縛りをつけていくよりも、むしろ当人の輝きと役を合わせてじょじょに花開いていくところを追った朝ドラもいいものだなあと感じた。
朝ドラでは二十代前後の俳優が五、六十代くらいまで演じることもあり、その際、俳優は少しだけ白髪にしたり特殊メイクで顔や手を老いたように見せたり、姿勢や歩き方を変えたりすることで年をとった様子を演じ、その努力が評価されることもある。
それはそれで尊いけれど、「おかえりモネ」で清原果耶が最終回に向かって老けていくのではなく、次第に知性的な美が磨き上げられていく様子は眼福であった。
百音の変化に演出も入っているかとは思うが、清原自身の表情を計算しコントロールする能力には卓越したものを感じる。なんといっても妹・未知(蒔田彩珠)の苦しみに救いの手をさしのべた時の、圧倒的な包容力は長い年月修行してきた人のようだった。
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