堤幸彦監督から見た“嵐”の魅力「五人五様の表現者であり、集まると強力なエンターテイナーになる」<Interview>

――今回の作品でもこれまでのライブ収録ではやれなかったことにチャレンジしたり、他にも映画、配信ドラマなど、精力的に制作されていますが、堤監督の制作における原動力は?

“常に自分が作ったもの以上のものを作りたい”という気持ちですね。ライブ映像という仕事においては、カメラの台数的にも音のテクニカルな作り方にしても、たくさんのディレクターと一緒に作って、かつ自分がその責任者としているシステムに関しても、この作品は最高峰です。

そして、という長年付き合いのあるアーティストの最高の檜舞台を作りたいというシンプルな思いを遂げたこと。これも次につながるモチベーション、出発点になりました。

――ファンはもちろん、ライブやエンタメに興味のある人は誰もが楽しめる作品だと感じました。監督としては、特にどういう方に見てもらいたいですか?

“今のショービジネスの最高峰はどこにあるんだ?”と思っている人には特に見てもらいたいですね。松本くんの演出の中にエンタメのショーのヒントとなる部分がたくさんありますし、映像表現という私のフィールドにおいても、「こんなにたくさんのカメラが同時多発的に表現できるんだ」ということに改めて気付いてもらえると思っています。

音の仕上がりの良さも自分自身でビックリするぐらいの臨場感と没入感があるのでぜひ映画館で見ていただけるとうれしいです。


◆取材・文=田中隆信