【残念！】身を守るために色を変えるヘラクレスオオカブトは、逆に鳥や昆虫ファンの餌食になることもしばしば⁉　イケメン東大生昆虫ハンター牧田習が教えるみんな大好き昆虫の残念さ　【三度の飯より昆虫が好き！#５】

今話題のイケメン昆虫ハンター・牧田習。「三度の飯より虫が好き!!」と公言し、「アウト×デラックス」「クイズ99人の壁」「それって!?実際どうなの課」などテレビ番組にも多数出演し注目を浴び、今年1月にはNHKプロデューサーの目に留まり「ダーウィンが来た！」にも出演を果たした。

幼少期から昆虫が好きすぎて昆虫採集に明け暮れ、ついには昆虫のために地元・兵庫から北海道大学へ進学。その後、東京大学大学院（農学生命科学研究科）に進み、現在は大英博物館やオックスフォード大学など海外の研究者と協同で昆虫研究を行い、新種を発表し続ける牧田習。

そんな彼が虫たちの知られざる生態を面白おかしく解説する本連載。第5回は、大きくてカッコイイ！ヘラクレスオオカブトの生態に迫る。

明るさに応じて体の色を変える！

世界最大のカブトムシ・ヘラクレスオオカブトは、ペンキで塗り替えたかのようにガラッと羽の色を変えることができちゃう昆虫なんです。ではなぜ、羽の色を変えるのでしょうか？　早速、ヘラクレスオオカブトが生息する中南米の森を覗いてみましょう！

ヘラクレスオオカブトは「雲霧林」と呼ばれるジメジメした森に暮らしています。この森は、昼間でも雲が出てくると湿度が上がり、薄暗くなってきます。あれ？　薄暗くなった途端、ヘラクレスオオカブトに変化が起きましたよ！　なんと、羽の色が明るい黄色から黒色に変わりました！　薄暗い時には羽を暗い色にすることで、天敵から見つかりにくいようにしているんですね！　これはもう、まさしく忍者の技ですね‼

そして今度は、太陽が出てきて、湿度も50%を切り、カラッとしてくると……。ヘラクレスオオカブトの羽の色が黒色から綺麗な黄色に戻りました！　明るい時には、明るい羽の色をしていたほうが天敵に見つかりにくいという作戦のようです。

ですが、実際は明るい色になり、暗い色の木につかまることも多いので、鳥などに見つかり、バリバリ食べられてしまうこともしばしば……。僕が実際に南米でヘラクレスオオカブトを見つけた際も、昼間に黄色い羽の個体を見つけることが多かったので、天敵だけはなく、昆虫ファンにも見つかりやすいのは明らかですね(笑)。