――「金スマ」で放送された女子少年院での「命の授業」を拝見しました。すごく授業がうまいなと感じました。
あれはテレビの編集ですからね(笑)。普段少年少女たちが使っている言葉をチョイスしながらしゃべってますと、それは僕でも子供の頃理解できたような言葉だったりするので、世の中そんなにたくさんの言葉を知らなくても実は生きていけるじゃないですか。
その中でも「大切な言葉には魂が宿る」ってしゃべっているので大切なのは言葉の使い方なんだよというところから。全員を改心させようなんて思ってもいないので僕は。
そうするとまた目線が変わってしまうので。あくまでも僕は彼ら彼女らの人生の1ページ、通過点にたまたま出てきたオヤジでしかないので。そのオヤジがしゃべったことで何かヒントを得てくれたらいいかなという感覚でしゃべっています。あくまでも基本的には会話をしに行っています、子供たちと。
――では講演会用にネタを集めてという感じではないのですね。
そんなもの全然ないですよ。後輩たちに普通にしゃべったことをそのまま(笑)。こうやってしゃべりながらひらめいて思い付いたり、会話の端々に出てきたキーワードを基にしてしゃべっているので。
「これからしゃべろう」っていうのを1回用意して行ったら全然しゃべれなかったときがあって(笑)。用意した項目10種類くらいあったんですけど、1個もしゃべれなかったことがあって、こういうの用意しない方がいいんだなと思って。あくまでも会話です。こっちが質問して、答えてもらったりね。
――講演される場所によってもテーマを変えたりするのでしょうか?
いや一切変えないですね、いつもやっていることをやるだけです。僕が思っているのは「言葉が大切だ」ということ。その言葉は元々どこから出て来るのかといったら、心から出てくるんですけど、「心」の「音」と書いて意識の「意」なんですよ。
意識って音なんだと、心には音が芽生えるんだと僕の中でヒントが降りてきたような感覚があって。「えっ、音って何だろう?」言葉って体から出てきたものであって目に見えないじゃないですか。
自分の名前にも漢字がありまして僕は松本ですけど、松本さんはどこから来たんだろうと思って。「本」っていう字は分解すると「木」の根本に線が引いてあるんですね。根本見本手本の本で、そういう「本」が大事ですよ、根っこが大事ですよと。
――そういうことを調べる作業って大変なんじゃないですか?
好奇心、興味が湧いてますから、興味という「味」が起きてますから、これが趣味っていう「味」になっていきますから。そこに意味という「味」を見つけていく作業は、自然となっていきますよね。
「好奇心」という言葉が、文字でいうと3文字、「“好”きでいると“奇”跡を起こす“心”」って書きますけど、それは捉え方じゃないですか。
本当に奇跡を起こすかといったら、奇跡を想像してみると、嫌いなことをやっているときには奇跡なんて起こらないですよね。スポーツでも何でも奇跡的なゴールとか奇跡的なホームランが出るのは、やっぱり好きでそこに集中しているから出るわけで。そういうふうに自分でいろんなものを組み合わせて、もしかしたらここでこうだからこうだとかいう組み合わせをよくしてますね、普段から。
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