久本雅美、“女芸人”がゆえの葛藤「結婚への不安は正直あった」萩本欽一の言葉で“ガラッと変わった”考え方

久本雅美※ザテレビジョン撮影

芸能界を代表する“おひとりさま”の女性タレント・久本雅美。先日、“おひとりさま”がテーマとなる著書「みんな、本当はおひとりさま」を出版した久本は、自身の半生を「何だかんだで1人で踏ん張ってきて、気がついたらこの年まで独りだった」と笑いながら振り返り、結婚に対しては「覚悟がなかった」と自己分析する。そして、彼女の“おひとりさま”人生を紐解いていくと、女芸人ゆえの結婚することへの不安とそれを変えた萩本欽一の言葉、さらには「生涯現役」への強い思いがあった――。

63歳になった久本雅美「気がついたらこの年まで独り」、結婚しなかったのは「覚悟がなかった」


――久本さんは今回、著書「みんな、本当はおひとりさま」を出版されました。このテーマで出版された理由をお聞かせください。

私も63歳になりました。別に結婚を否定するわけでもなく、何だかんだで1人で踏ん張ってきて、気がついたらこの年まで独りでした。世の中、結婚してようがしてまいが、お子さんがいようがいまいが結局のところ、自分の人生は自分次第。みんな1人で頑張って生きていると思うんです。そんな方々のために、私がこれまでの人生で感じたことや経験したことを共有して、元気になってもらえたらという思いで出版させていただきました。

――久本さんにとって「おひとりさま」でいるメリットはどんなところにありますか。

やっぱり24時間、自分の好きなように使えることが大きいです。そこが結婚に踏み切れないポイントのひとつかも知れません。まあ、プロポーズされなかったというのが一番の理由なんですけど(笑)。

――著書の中では「結婚への覚悟がなかった」と書かれていましたね。

結婚する人って「結婚しよう」と覚悟して、いろんな方に出会ったりする努力をされますよね。私がのらりくらりやっているのは、1人の時間もお仕事も楽しくて、悩むこともいっぱいあるけれど、その中でも支えてくれる友だちがいたりして。結婚して誰かとともに人生を歩むことに対し、覚悟がないことが大きいんでしょうね。

仕事第一の姿勢に、両親も理解「結婚なんかしなくてもいい」…現在の理想は“恋人以上の家族未満”


――ただ、久本さんが結婚しないことに対して、周囲から「結婚すれば?」「なんで結婚しないの?」という圧もあったのではないでしょうか。

私たちの時代、25歳を過ぎて結婚していない女性は、クリスマスケーキに喩えられて“売れ残り”だと見なされて、肩身の狭い思いをする時代でした。でも私自身は、お仕事への気持ちが強かったので、結婚への焦りが全然なかったんです。そもそも小さいころから「社会でバリバリ働きたい」というのが自分の夢で、お芝居の世界に入ったことによって、結婚そのものに対する憧れも二の次三の次でした。この世界で輝きたい、みんなに認めてもらいたいというのがすごく大きかったんです。

でも、親はやっぱり、東京に出てお芝居をする娘のことが心配だったみたいでお見合い写真を送ってきたりしましたけど、「どうやら本気でこの世界で頑張りたいんだな」と理解してくれてからは、何も言わなくなりました。母が亡くなる前には、「あなたはやるべきことがあるから、結婚なんかしなくてもいい。ただし、心がギスギスしないように彼氏は持ちなさい」と言われたのを覚えています。

――最近は、結婚ではなくパートナーというかたちを取るカップルも増えていますよね。

そうですよね。結婚しないと、病気になった時の手続きや保険のことなど色々と問題があるので、本当に籍を入れたい相手がいれば結婚するとは思いますけど、今のスタンスでいくと人生のパートナーというかたちでいいのかなと。一緒に住まなくても、週末婚のようにご飯を食べたり、どこかに遊びに行ったりする、「恋人以上の家族未満」的な感じの人がいればいいなと思います。

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