2021/12/26 06:00 配信
――今回はゲストでRED WARRIORSのダイアモンド ユカイさん、木暮“shake”武彦さんが登場されましたが、お二人に対してはどのような印象をお持ちでしたか?
スージー:僕は80年代後半、大学時代にお二人の演奏をテレビとかで見ていましたけど、それから30年近く経ってどういう形で変化しているのかなと思っていて。ユカイさんはテレビでよく見てましたけど、シャケさんがどうなってるかと思ったら、スタイルもフォルムも変わってなかったですね。
マキタ:本当にお変わりなくという感じで。僕はわりと年頃で、最初にRED WARRIORSを聞いたのは17~18歳くらいだったと思うんですけど、僕らにとっては結構カリスマというか「伝説のバンド」でしたから。
なので、お会いしてまず第一に「あ、本物だ」と思って。特にシャケさん。ユカイさんはバラエティーとかで共演もしていましたけど、あの二人がそろった時の絵面はやっぱり「RED WARRIORS」なんですよ。なので「うわ、すげぇな~」っていう感じで。
今回の収録でも弾かせていただきましたけど、一時期シャケさんのギターソロとかを本当によくコピーしていたので、すごくうれしかったですね。
――シャケさんもマキタさんの演奏を絶賛されていました。
マキタ:ありがたいことですね。今回お二人の話を聞いていて特に面白かったのは、「昔好きだった曲を今の視点で聞いたら感じ方が全然違うものになる」ってことで。同じバンドでも、高校生の頃に聞いた時と30歳前後で聞いたのとでは印象が全然違うものになっていて、その後の自分の人生、ライフスタイルにまで強く影響を与えたっていう。
やっている音楽があまり変わらなかったとしても、おじさんになってくるとそういうこと感じませんか? 結局昔から好きなものは好きだし、でも聞き方がその当時とは変わっていたりして。そんな話を聞けたのは良かったですね。
スージー:我々も一度ちゃんとプログレを聞いてみようかなと思いましたね(笑)。
――今回の「カセットテープ大賞」もかなりコアな賞がたくさんありましたが、お二人のイチオシの賞を教えてください。
スージー:今回私が溜めに溜めたのは、「望郷系ペンタトニックワルツ」賞ですね。やっぱり「ペンタトニックワルツ」に限らず、頭の中で「いいな」と思ったものには源流があるんじゃないかと思ってさかのぼって。
レギュラー放送の時は(定期的に収録があるため)インターバルが短くて「探求モノ」がなかなかできなかったんですけど、久々に時間があったので大技を繰り出してみた感じですね。
マキタ:音楽って無条件に意味とか文脈とかが付加されていて、それが変化していったり、当たり前だから気が付かなかったりするじゃないですか。それを当たり前のままにしないのがこの番組であり、スージーさん自身もそういう面を強く持っているので、その「化けの皮」みたいなものが剥がれた瞬間が味わえるのが、この番組の真骨頂だと思いますね。なので、この番組らしいしスージーさんらしい、肝が詰まった賞でした。
それから、この番組では埋もれさせてはいけない系の音楽を紹介したいっていうのもあって。ファンの方にとっては「埋もれている」なんて言ったら失礼な話ですけど、一般の方がどう思っているのかを考えて曲を選びました。
――ちなみに、お二人がこれから研究していきたいバンドやジャンルなどはありますか?
スージー:追いかけていきたいのは、やっぱり「ペンタトニック」っていう謎が謎を呼ぶ音階(※ペンタトニックスケール=5音で構成される音階のこと。日本で広く親しまれる「ヨナ抜き音階」はこれの一種)についてですね。
アカデミックな研究がどこまで進んでいるのかわからないですけど、「蛍の光」や「イエロー・サブマリン」からお座敷小唄まで、何で一つの音階がこんなにも世界中で使われているのかという。
音楽は謎が多いので、その謎に果敢に挑んでいきたいですね。今回紹介した「ペンタトニック」もまだ全然解き明かされていないですが。
マキタ:この番組はどうしても「カセットテープ・ミュージック」っていう名前の縛りがあるんですけど、新しい音楽とかにも番組で何回かチャレンジしていて。今年スージーさんも令和と平成の音楽について触れた本を出されましたけど、僕のYoutubeのコンテンツでも普通のおじさんに協力してもらって「おじさんがガチで最新曲を何の予備知識もなく聞く」っていう企画をやったんですよ。
番組では昔の曲を流していれば安心しがちですけど(笑)、ほっとくとおじさんは昔の音楽に偏ってきちゃうじゃないですか。なので、おじさんが解釈を間違っていようが「この曲っていいじゃん」ってリコメンドしたり、「昔のあの曲とこういうところが似ているよね」って解説したり、そういうこともやってみたいなと思いますね。
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