「音楽って無条件に意味とか文脈とかが付加されるもの」マキタスポーツ&スージー鈴木が光を当てる音楽の奥深さとは?<ザ・カセットテープ・ミュージック>

2021/12/26 06:00 配信

音楽

Adoの歌声は「多重人格」的?

――最近お二人の中で「これは!」と思われた楽曲やアーティストはいらっしゃいますか?

スージー:Adoでしょ! Adoの「うっせえわ」以外の曲がおしなべて素晴らしいので。あれはちょっと“おじさん流解釈”をした方がいいんじゃないかと思いますよね。

マキタ:Adoはびっくりしますよね。ただ新しいっていうだけで毛嫌いしたり、「どうせ若いもんのはやりだろ」とナメて扱ったりしない方が面白いかなと思いますね。

スージー:「どうせSNSからの“ぽっと出”の企画モノだろ」とか思いがちですけど、今はそれが主流ですからね。

マキタ:僕らだって80年代とかに上の世代の方たちから「何わけのわかんないもの聞いてんだ」って散々言われてきたわけですしね。

あと、以前この番組で若い人とか最近の日本のアーティストの「歌い方研究」をやったんですけど、そういうのは引き続きやりたいですね。その点で言うと、若い人たちってすごく技が多彩だし、超ハイスペックですね。Adoなんかもそうですし、すごく技術が上がってきてますよね。

今日ユカイさんも歌い方の問題について話していましたけど、プロの歌手って技術よりも声質が強いと思うんですね。一つの歌い方、キャラクター、声質とかを守るというのは大事なことで。

その一方で、Adoなんかは結構歌い方が「多重人格」化していて。だってレコーディングでワンフレーズごとに歌い方を変えて、わざとぶつ切りにしてやってるんですよ。一人の人間が一回で歌いきる従来のレコーディング方法でやってませんからね。歌い方だけでなく、そうしたレコーディングの技術も面白いですよね。


――そうした技術論は次回の特番に向けて…。

マキタ:本当にそうですよ。技術論って専門的すぎて嫌われる部分もあるかもしれないですけど、「神は細部に宿る」という感じもありますからね。

注目の「カセットテープ大賞」はどの曲に?


――今回の収録では、マキタさんが河村唯さんに楽曲提供するという話もありましたが。

スージー:来年は歌手として活躍してもらいましょう(笑)。

マキタ:それか(マキタの弟子として)ものすごいバイトリーダーみたいになってるかもしれませんけど(笑)。


――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします!

スージー:ぜひ見ていただいて、Twitterとかでつぶやいていただけたら。番組は吹けば飛ぶような状況になっていますので、ぜひ盛り上げていただきたいですね。ネットで騒がれると番組的にはとても「おいしい」ので。できればポジティブな感想をいただけると(笑)。大賞はすごい曲に決まります。ビックリする選曲なので。

マキタ:本当に一周回ってビックリしますね(笑)。

スージー:令和の年末にこれを語るか?っていう曲なので(笑)。

マキタ:私もスージーさんとほとんど同じですけど、一度番組がお休みになっていますからね。何とか復活のことも考えたいですし、皆さんの声が必要ですから。きっと番組ファンの皆さんは喜んでくださるでしょうけど、その前に視聴者の皆さんには知らない顧客を集めていただいて(笑)。見ていただくこと、話題を作ることが重要かなと思いますね。