ABEMAのオリジナルドラマは、現代を生きる各世代のあらゆる面を描く。“生々しさ”という要素が強く、そこを描くことから逃げていない印象があり、「セックス」や「ジェンダーレス」等の話題を包み隠すことがない。
今作の企画・プロデュースを手がける藤野良太が、女子高生の性問題に向き合った恋愛ドラマ「17.3 about a sex」(2020年9月放送、ABEMAビデオで視聴可)は、過激になりがちな内容を若者の目線から茶化すことなく真っすぐ描いた良作であった。
「30までにとうるさくて」は、20~30代女性のピンポイントに響き、さらに大人世代の女性にとっては懐かしく、ほんの少し痛みさえ感じる内容だろう。酔い潰れて失敗するシーンや、婚活中に狙いを定めた男性が既婚者だった、など「あーあるよねー…」なシーンの連続なのだ。女性たちが集まってお酒を飲みながら、自分の恋愛やキャリアについて赤裸々にトークする様子は、さながらアメリカの人気ドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」のようである。
登場人物に共感したり、自分とすぐ近くにいる友だちの話のようだなと感じるうちに、自分はどんな生き方を好むのかと向き合える作品。どの世代の女性にも“刺さる”シーンがきっと見つかるだろう。
文=中田蜜柑
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