──20代後半からは、声優としても活躍の場を広げました。そのきっかけは?
もともと声優に興味があって、養成学校に見学に行ったこともあったんです。結局タイミングが合わなくて入学はしなかったんですが、チャンスがあればやってみたいと思っていました。声で人を感動させる仕事って純粋にすごいなと。
最初のお仕事は「雨色ココロ in Hawaii」(2016年)というラジオ番組から派生したアニメでした。養成学校には通わなかったので、声優のスキルはすべて現場で学びました。その時は別録りだったんですが、最初なので勝手がわからず、大変でした。
──声優としてはテレビアニメ「HUGっと!プリキュア」(2018~19年)の若宮アンリ役が代表作となりました。
「プリキュア」の現場はすごく勉強にもなりました。通常のアニメって最初にリハV(リハーサルVTR)がもらえるんですが、「プリキュア」はないんですよ。現場に入って初めてVTRを見て、「ハイ、やります」みたいな。スタジオにマイクが4本立っていて、(声優が)音を立てないように入れ替わりで(マイクの前に行って)、セリフを言うんです。僕以外は経験豊富な声優さんばかりでプレッシャーもすごかった。NGをけっこう出しちゃったんですが、精神的にもすごく鍛えられました。
──作品を撮り終わったあと、俳優とは異なる、声優ならではの達成感というのはあるんですか?
出来上がった作品を観るのがすごく楽しいです。実を言うと、僕は出演した映像作品を観るのはあまり好きじゃないんです。映像だと「もっとこうしておけばよかった」と思ってしまうことが多々あって。観ることで今後の演技の勉強にもなるんですけどね。
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