【試写室】「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」骨の髄まで愛せる異色作

2017/04/23 06:00 配信

ドラマ コラム

観月ありさと頭がい骨のツーショットも話題

「26年連続30回目」

別に大御所歌手の紅白出場回数でも、地方の高校野球強豪校の甲子園出場回数でもない。

「継続は力なり」とはよく言うが、力があるからこそ継続できるとも言える気がする。そんな気にさせられるのは、冒頭の26年連続30回目の主演ドラマが4月23日(日)夜9時からスタートする、観月ありさという女優のせいだ。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回はその観月が主演を務める連続ドラマ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(フジテレビ系)を取り上げる。

本作は、2012年に小説投稿サイト「エブリスタ」で掲載された同名WEB小説が原作のミステリー。美人で名家の令嬢だが、三度の飯より“骨”を愛する骨格標本士・九条櫻子(観月)は、博物館からの依頼で、自宅のアトリエで動物の骨を組み立てる日々を送る。

高校時代は標本制作を学び、大学時代には、教授で監察医の叔父の下で法医学を修めた櫻子は、豊富な知識と類いまれなる観察眼で、難事件を解決に導いていく。

そんな櫻子が家政婦のばあや(鷲尾真知子)と暮らす邸宅を、博物館の技術補佐員・館脇正太郎(藤ヶ谷太輔)が訪れる。櫻子は博物館から組み立てを依頼されていた骨を入れたトレイを手に戻ってくる。むき出しの骨に驚き、完全に逃げ腰になる正太郎に、櫻子は骨の発見場所を問いただし、「そこへ案内しろ」と言い出す。

博物館のスタッフ・志倉愛理(新川優愛)から場所を聞き、学芸員・磯崎齋(上川隆也)からは、珍しい草花の写真を撮ってくるように指示された正太郎は、櫻子の運転する車で骨の発見場所の山中へ。

到着するとすぐに、櫻子は山を歩き回り、落ち葉や土などを払いのけ何かを探し始める。やがて動きを止めた先にあったのは、なんと人間の白骨死体が。あまりの驚きに腰を抜かし、正太郎は後ずさりするが、櫻子は「素晴らしい」と恍惚(こうこつ)の表情を見せる。

正太郎の通報で、刑事の山路輝彦(高嶋政宏)、近藤卓也(細田善彦)と鑑識がやって来るが、遺体は完全に白骨化しているため、詳細は調べないと分からないと言う。ところが櫻子は、死亡推定時期、年齢、性別、利き手まで、スラスラと言い始め、刑事たちを驚かせる…。