脚本を読んだ時、雪国に生きる人たちの力強さに圧倒され、自分が負けてしまうのではないかと不安でした。ですが、会津の空気を日々感じていると、いつのまにか不安だった自分はどこかに消え、真っ白な雪の中へ飛び込むことができました。またスタッフやキャスト、その地に住むたくさんの方々の温かさが色濃く浮立つようでした。厳しい寒さの中にこそ、熱い生命が宿り、育つ。その魂を作品にともすことができたと思います。雪国の温度を肌で感じて頂けますように。
川端康成の雪国は美しく、もろく、はかなく、文章の圧倒的な力を感じます。そして、自分の中にこんな景色があったのかと気付かされます。現場は不思議な世界観に包まれていて、非常に熱も高く、居心地が良かったです。自分は現場に短い時間しかいませんでしたが、一生さん、奈緒さん、森田さんの居る雪国の世界は美しかったです。登場人物の魂の一瞬の輝きを是非ご覧ください。
歌ってきた50年という年月の節目に芸者役を演じたいと三味線を習い始め、本條秀太郎氏の元に通い始めて5年目。三味線を弾く女優さんは多い中、弾き歌いをなさる方はおられないようで、師匠役を私が演らせていただくこととなりました。あの時代のたたずまいはあこがれです。みなさまに溶け込んで私の意外な側面が出せていたならうれしいです。
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