小松菜奈×坂口健太郎が明かす、初共演で感じたこと「“ちゃんと人間味があって良かった”って思った」

坂口健太郎×小松菜奈 撮影=玉井美世子/スタイリスト=二宮ちえ(小松)、壽村太一(坂口)/ヘア&メーク=小澤麻衣(mod's hair)(小松)、廣瀬瑠美(坂口)/衣装協力=Nanushka(HiRAO INC)(小松)

切なすぎるとSNS等で反響が広がり、ベストセラーを記録している同名小説を、「ヤクザと家族 The Family」などの藤井道人監督が実写化した映画「余命10年」。20歳で難病を発症し、余命10年となった茉莉役を小松菜奈、同窓会で再会を果たした茉莉と恋に落ち、その運命を大きく変える和人役を坂口健太郎が演じる。

「“時を感じること”を意識した撮影」

――本作は撮影期間約1年という長期戦だったようですが、お二人がこの撮影期間で意識したことを教えてください。

小松:映画の撮影ってだいたい1カ月半とか2カ月で撮るんですが、今回は約1年という長期間で撮らせていただきました。内容が“余命10年”ということもあって、“時を感じること”を意識した撮影だったと思います。それはもちろん見た目の演出もですが、私たちがお芝居する中での気持ちの部分もです。茉莉としての覚悟や、病気と向き合いながら生活を送る中で徐々に現状を悟っていくような感じとか、もう決まっていることだからと自分自身を納得させていく心の動きみたいなものをちゃんと意識して演じなければと思っていました。

走ってはいけないなど運動制限がある役でもあったので、普段の動作や呼吸の仕方にも気を付けました。身体が弱っていく役ということもあり減量をしたのですが、見た目以上にそういう気持ちの変化や常に人前では笑顔でいるという彼女の内面をとにかく大事に演じさせていただきました。

「別の役に入っていても心の隅に茉莉を置いていた」

坂口:和人で言うと、正直そんなに意識する箇所がなくて。後半で茉莉の秘密を聞くまでは、自分の中の彼女の存在を大きくしていくだけでした。ただただ茉莉のことを思っていようっていうだけだったんですよね。和人はずっと茉莉にだけ感情が向いていたら、それで成立する気がしたので、僕は和人としているだけでよかった。茉莉に気持ちを向けていることがきっと和人という役の正解なんだろうなと思ってやっていましたね。

強いて言えば、茉莉に向いている気持ちの純度と言いますか、どこまで透明感を保つかというのは考えていました。この1年、他の役を演じたりといろんなことと並行しながら撮っていたんですけど、どこか別の役に入っていても、心の隅に茉莉を置いていた気がします。それは意識してというよりは、自然といてくれたという感じです。だから、その気持ちは大事にしようと思っていました。

関連番組