白洲迅が語る、事務所の先輩と臨む音楽劇への思い「一番近くで“松下洸平”という俳優を見て勉強できるのはうれしい」

「稽古に入る前から節目の作品になるだろうと思っていた」

白洲迅 撮影=booro/スタイリスト=持田洋輔/ヘア&メーク=茂手山貴子/衣装協力=AIVER、CULLNI、TENDER PERSON

――今回は事務所の先輩でもある松下洸平さんとタッグを組みますね。

先輩ではありますが同世代の洸平くんと一緒に芝居をやれるのはうれしいです。何ていったって、一番近くで“松下洸平”という俳優を見て勉強できるんですから。映像でも見ていましたが、舞台だと役が作られていくプロセスを見られるのがいいんですよ。そして間近で見て思ったのは、洸平くんのお芝居は爆発力があるってこと。これまで舞台を積み重ねてきた経験値だと勝手に思っていますが、パッとはじけるんです。ぜひその演技を多くの方に見に来ていただきたいです。

そして現場ではいいお兄ちゃんとして、いろいろお話しさせていただいています。今回の役は作曲家ということもあり、曲を生み出すということを洸平くん自身もアーティスト活動としてやっているので、そのあたりのことを聞いたりして…。もちろん芝居のことだけではなく、俳優としての在り方やプライベートの話などでも盛り上がってます。貴重で濃厚な毎日です。

――白洲さんは今年で30歳。「ここでの経験が今後の芝居人生の糧になる」とコメントしていましたが…。

稽古に入る前から節目の作品になるだろうと思っていましたが、思った以上の予感がしています。演出家の河原(雅彦)さんは、常にお客さんファーストなんですよ。全てお客さんが見てどう思うかを考えて演出されていて。当たり前のことですが、改めて考えさせられました。僕も役の気持ちを丁寧にくみ取り演じることで、お客さんに伝わっていく…。面白い連鎖を作っていきたいです。

――1940年代の人気曲がちりばめられた音楽劇。白洲さん、松下さんをはじめ、李香蘭(りこうらん)を演じる木下晴香さんらの歌声にも注目ですね。

ミュージカルとはまた違った華やかでぜいたくな舞台になると思います。僕もどんな舞台になるかすごく楽しみなんですよね。20代後半になってから感じているのですが、年を重ねていろんなことを少しずつ面白がることができるようになってきていて。今回は楽しいだけではなく、苦しむなどネガティブな部分も出てくると思いますが、そういうところも含めて、黎錦光を面白がりながら楽しんで演じていきたいです。

◆取材・文=玉置晴子