――安室透というキャラクターがここまでに深く愛されるようになった理由はどこにあると思いますか?
古谷:最初は身近なお兄ちゃん、爽やかな青年探偵というイメージで登場して、とっつきやすい魅力があったのかな。しかも料理が上手だったり、楽器ができたり、人への気遣いができたりというところが、「彼氏にしたい!」という女心の琴線に触れたのかなぁ…なんて(笑)。そこから「ゼロの執行人」で「恋人はこの国さ」と言われて、「実際には恋人がいないなら、チャンスあるかも!」と思ってくださったのかなとは思います。
それとやはり、トリプルフェイス。コナンくんの敵である黒ずくめの組織のメンバーではあるけど、実は公安警察の捜査官だというところで、コナンファンの方々も「コナンくんを支えてくれる強い味方が増えた」と思っていただけたんじゃないですかね。
――そんな安室の“日常”が描かれている「ゼロの日常」のお話もうかがいます。本作では安室のどんな魅力が見られるでしょうか?
古谷:やっぱり普段着の安室透…降谷零なんですけど…の、「名探偵コナン」テレビシリーズではあまり見せない穏やかな表情ですかね。それは、“人に見られていない、一人きりの場面”が描かれているからだと思うんです。もしかしたらガッカリする人もいるかもしれないけど、僕からすると魅力になっているんじゃないかなと思います。
スキルに関しても、大型バイクに乗ったり、ギターの弾き語りをしたり。不眠症の対処法とか、柔道の技で片腕で相手を投げてしまうというのもそうですね(笑)。明らかになったさまざまなスキルも魅力になると思います。それから、やはり気配りも。新たな表情、スキル、性格で、降谷零という人物を深く演じられるようになった気がします。
――「ゼロの日常」で新たに知った安室の一面はありますか?
古谷:「寂しがり屋なのかな」というのが、今まで思ってもいなかった顔ですかね。一番はそれかなぁ。「やっぱり孤独を感じているんだな」という。それは警察学校組のことを思い出す描写でも明らかでした。ほかにも冷静さを欠いた顔とか復讐に囚われている顔、我を忘れて没頭している顔などいろいろ描かれていますが、寂しがり屋だというところが一番、ある意味ショックでしたし、共感もできるところです。
――安室の孤独を特に感じたシーンというのは…?
古谷:ハロ(作中に登場する子犬)との出会いです。僕もイヌ派なのでうれしかったです(笑)。すごくかわいく描かれているんですよ。潘めぐみちゃんがすごく気持ちを込めて演じてくださって、「ワン!」一つで気持ちが伝わるんですよね。僕も演じやすかったです。
――逆に、本編と「ゼロの日常」を通じて「ここはブレないな」と感じた部分は?
古谷:スキルが高いところと正義感が強いところ、人に優しいところはブレていないと思います。
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