劇中作のクオリティも圧巻! アニメ制作への情熱を描く映画『ハケンアニメ』のアツさ

2022/05/16 11:30 配信

映画 アニメ コラム

アニメの”ハケン=覇権”を争う、斉藤監督&行城プロデューサー(左側)と、王子監督&有科プロデューサー(右側)。 (C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

日本が世界に誇るエンターテイメントのひとつ、アニメーション。毎クール50以上の新作が誕生する、日本アニメ業界の舞台裏を描いた映画『ハケンアニメ!』が、5月20日(金)に公開される。アニメに情熱を傾け奮闘するアニメ仕事人の胸熱な姿を描く、この作品の魅力に迫る。

最高のスタッフと声優で、プロフェッショナルが本気で制作した劇中アニメは圧巻!


念願のアニメ監督デビューが決定した斎藤瞳(さいとう ひとみ)が主人公。最大のライバルは、斎藤も憧れる天才監督・王子千晴(おうじ ちはる)。斎藤の『サウンドバック 奏の石』と王子の『運命戦線 リデルライト』が、土曜夕方5時枠で視聴率を競い、アニメの“ハケン=覇権”を争うストーリーだ。

『サウンドバック 奏の石』と『運命戦線 リデルライト』は、実力派のスタッフでリアルに制作された。この2作品を通して、アニメ制作現場の舞台裏が描かれる。チーフプロデューサーをトップに、監督が描く絵コンテのもと、作画、美術、撮影など各部署のスタッフが、どんな仕事をしているのか、現場のリアルが目の前に広がる。

そして、キャラクターに命をふきこむ声優陣も豪華だ。『進撃の巨人』エレン・イェーガー役など多数の人気キャラクターを演じる梶裕貴をはじめ、斎藤監督とやり合うアニメ主要キャストに、実写映画初出演となる高野麻里佳など、注目の声優陣がずらり。色が入らず完成しきってないアニメ動画を見ながらのアフレコに、現場の臨場感を感じることもできる。

アニメへの熱い想いを雑草魂で演じる吉岡里帆と、天才監督の苦悩とともに演じる中村倫也


吉岡里穂演じる斎藤監督(右)と中村倫也演じる王子監督(左) (C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

国立大学を出て県庁に勤めていたが、王子監督のアニメ『光のヨスガ』と出会い、アニメの世界に飛び込んだ主人公・斎藤瞳を演じるのは、吉岡里帆。今まで演じてきた役風とは全く違い、心の内に熱い想いを持ち、ボサボサ髪で化粧気もなく、寝る間も惜しんで作品作りに没頭する吉岡里穂の姿に胸を打たれる。

また斎藤が憧れる王子千晴監督を演じるのは、中村倫也。王子デビュー作『光のヨスガ』が脚光を浴びるが、その後スランプに。8年ぶりとなる新作『運命戦線 リデルライト』で復活を図ろうとしている。天才と言われてしまったがための苦悩の中、机に向かい無我夢中に絵コンテをきるシーンが印象的だ。

王子監督を超える「誰かの力になるような作品」を作りたい斎藤。アニメが「現実を生き抜く力」の一部になれることを信じている王子。ともに不器用ではあるが、胸に秘めたアニメへの想いは熱い。

その想いは監督だけではない。チーフプロデューサー、脚本家、作画、美術、CG、撮影など、すべてのスタッフがそれぞれに信念とプライドを持って、作品に愛と情熱を注ぐアニメ仕事人たちの姿に胸熱必死である。