鈴木拡樹×小林亮太が語る、2.5次元舞台を演じる楽しさ「まず原作に寄り添うか、大幅に飛び越えるかを考える」

舞台『死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-』で初共演の鈴木拡樹と小林亮太 撮影=須田卓馬

マンガやアニメ、ゲームを原作とする2.5次元舞台。その黎明期から数多くの作品に出演し続け、名実ともに2.5次元のトップランナーといえる俳優・鈴木拡樹。そして「鬼滅の刃」「僕のヒーローアカデミア」など近年の話題作に立て続けに出演し、今注目の若手俳優・小林亮太。6月9日より上演される舞台『死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-』では、この2人が初の共演を果たす。初共演の感想は「お互いのキャラクターがどんどん膨らんでいく」と好相性。また2.5次元舞台の第一線で活躍する2人にその魅力を聞くと、「作品ごとに、原作に寄り添う形で演じるか、大幅に飛び越えてしまったほうがいいかを考える」「舞台上と客席で想像力を交換する感覚」など、奥深いコメントが次々飛び出した。

小林「拡樹さんとご一緒したいとずっと思っていた」


──「死神遣いの事件帖」は、同一世界観で映画と舞台を展開する『東映ムビ×ステ』として2020年にスタート。今回はその続編となります。鈴木さんは前作映画から続投、小林さんはシリーズ初参加となりますが、出演の話を聞いたときはどう思いましたか?

鈴木拡樹第1弾の映画(映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』)の撮影中に、「事件解決ものだから、新しい事件が起きたら続編もつくれるね」なんて話をみんなでしていたんです。それが実現したので、すごくうれしかったですね。

小林亮太「死神遣いの事件帖」という作品は知っていたのでうれしかったですし、拡樹さんとご一緒したいとずっと思っていたので、その機会をいただけてありがたいなと思いました。

──鈴木さんは前作に引き続き、死神遣いの久坂幻士郎を演じます。今作で演じる幻士郎の印象は、第1弾のときとは変わりますか?

鈴木:映画第2弾『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』での幻士郎は、仕事に対して前作よりちょっと前向きに取り組むようになっています。映画の前に上演される舞台『死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-』では、その“ちょっと”の部分が補完されて描かれる。そういう意味ではだいぶ前作とは変わっていると思いますね。何せ仕事に対して前向きになる幻士郎ですから(笑)。またこの舞台は、映画よりもアップテンポに進めて、大事なセリフをはっきりと伝えるという見せ方。そのため同じキャラクターを演じていても、舞台のほうが1.5倍速くらいで感情が進行しているような感覚です。

鈴木拡樹、小林亮太 撮影=須田卓馬


幻士郎は1人でも生きていけるけど、1人にさせたくない


──今回の舞台では、相棒となる死神が前作の十蘭(安井謙太郎)から、小林さん演じる亞門へと変わりました。幻士郎と亞門の関係性はどのようなものですか?

鈴木:亞門は十蘭よりも幻士郎に近いと思っていて。十蘭との会話は、十蘭がスパーンと否定して終わるという感じだったのですが、亞門とはわちゃわちゃ具合が近いので、誰かが止めてくれないとずっとしゃべっているというか(笑)。そんな関係性ですね。

──では、小林さんはご自身が演じる亞門をどのようなキャラクターだと捉えて演じていますか?

小林:まず台本を頂いたときに、「俺っち」とか「〜っす」というセリフが並んでいて。「そんなことを言う死神ってどんな!?」と想像がつかなくて、最初は「どうしよう」と悩んでいました。でも拡樹さんが演じる幻士郎や作品全体の雰囲気を見ているうちに、亞門には底なしの明るさがあったほうがいいんだろうなと思っています。拡樹さんがおっしゃっていたように、舞台はアップテンポで進んでいくこともあって、稽古が終わったあとはかなり疲れますけど(笑)、楽しくやらせてもらっています。

──亞門からみた幻士郎はどのような人物ですか?

小林:うーん…1人でも生きていける人だけど、でも1人にさせたくない人。たくましい部分もあるけど、人間臭い部分もあって。だからこそ死神として一緒にいたくなる存在ですね。

鈴木拡樹、小林亮太 撮影=須田卓馬

関連人物