――高校3年生といえば、前回のゲーテアヌムにも行った修学旅行や映画部での映画制作、社交ダンスの大会など、カリキュラムもイベントも目白押しでしたけど、そのなかでとにかく時間の掛かるクレイアニメを制作するって、すごいパワーですね。
卒業演劇と文化祭もあったし、普通の授業もあったので、すごく慌ただしい1年でした。当時好きだった「一生懸命は当たり前」というフレーズをモットーに、いろんなことに取り組んでいたんですけど、この1年を機に自分の飽き性を変えたいと思っていたんだと思います。むしろ“変わんなきゃ!”というか…。ギターもダンスもカメラも中途半端にできる自分がすごい嫌いだったので、やってやったぜ! と思えることをしたかったんだと思います。
――重要な1年になったんですね。
そうですね。あの1年がなかったらもっと中途半端な人間になっていたと思うし、すぐ諦めちゃう性格も変わらなかっただろうし、役者も続いていなかったと思います。上京するために2年間バイトをしてお金を貯めましたが、その時点で諦めていたと思います。
――それにしても、本当に素晴らしい作品なので、このままにしておくのはもったいないと思います。だって、人形の気持ちが伝わってきましたから!
ねっ!(笑) でも、僕も久しぶりに見て思いました。彼らの気持ちが分かるなって。確かにこのままにしとくのはもったいない才能ですねって、自分で言っちゃう(笑)。でも、本当に改めてまた撮りたいなと思いました。そして、この「目の雫」もいつかどこかで上映できたらいいなって思います。
取材・文=及川静
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