米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」のオープニングセレモニーが、6月7日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催された。
「U-25プロジェクト」部門のプレゼンターとして登壇したのは、俳優の黒木瞳。優秀賞に選出された作品は、田村鞠果監督の「ファイナル・デスティネーション」。ニューヨークのアパートの一室で首吊り自殺を図ろうとするノーマンは、死の直前に「トラベルエージェント」と名乗る死神と出会う。ノーマンのために最高の死に場所を見つけようと張り切る死神に連れられて、二人は世界の旅に出る、という物語。
黒木は「田村鞠果監督、受賞おめでとうございます。U-25ならではのスピード感、切ないけれどユーモラスな展開。どなたが見ても共感できる作品になっておりました。とても面白く拝見させていただいて、田村監督の将来、可能性、感性など、今後をワクワクするほど楽しみにしております。本当におめでとうございます」と賛辞を贈った。
黒木自身も監督作品「線香花火」が「オフィシャルコンペティション」のジャパン部門にノミネートされている。
「数年前、ブランデッド部門に(監督作品を)ノミネートしていただいて、ここで上映させていただきました。その時、審査員も兼ねて参加したのですが、100本近い短編映画を拝見して、本当にどれも素晴らしくて短編映画の魅力と奥深さをヒシヒシと感じました。ですので、今回、『ジャパン部門に応募したいな』という思いを胸に作品を撮りまして、ノミネートしていただいて上映してもらえるなんて、こんなうれしいことはないです。感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。
「ミュージカルショートフィルム」企画コンペティションの「アミューズミュージカルアワード」のプレゼンターを務めたのは、元宝塚歌劇団の柚希礼音。優秀賞には香港のカキ・ウォン監督とイ・タン監督による作品「The Sweet Impulse」が選ばれた。
柚木は「とても面白かったです。ミュージカルで、音楽というものとても大切になってくるんですが、とってもオシャレで、これがどんなふうにキャラクターの心情を表現していくのか楽しみだなって思いましたし、短い時間ながらストーリーがとてもしっかりしていました」と絶賛。
「The Sweet Impulse」は、食べ物を口にすると、その時に作ったシェフの思いが浮かんでくるという特殊能力を持った女性グルメライターと、男性パティシエの物語。柚木は「いつもは舞台でミュージカル作品に出演させていただいてますが、私も映像作品に出てみたいなと、夢が広がっております」と意気込みを語った。
◆取材・文=田中隆信