「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」のオープニングセレモニーが6月7日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催され、千葉雄大、青柳翔、永山瑛太が、玉城ティナ、前田敦子と共に「WOWOWアクターズ・ショート・フィルム2」トークセッションに出席した。
「アクターズ・ショート・フィルム」は、予算や撮影日数など、同じ条件で5人の俳優が25分以内のショートフィルムを制作するというWOWOWの企画プロジェクトで、今回が第2弾。5作品とも、今回のフェスティバルの「ジャパン部門」にノミネートされている。
千葉が監督・脚本を務めた作品「あんた」は、キャンプを楽しむ女(伊藤沙莉)と男(千葉)の物語。恋人でもなく、友人というには軽すぎ、でも家族になれない。一生続くはずだった関係が男の一言によって徐々に歪みが生じてくる…。
千葉は「現場がすごく楽しかったなって。脚本も自分で書いたんですけど、それなのに『誰が書いたんだろう?』っていうくらいせりふを覚えるのが難しくて(笑)。でも、それも含めて楽しかったです」と撮影時を振り返りながら語った。
大変だった作業については、「編集と音楽をつけること」と回答。「いかようにもやりようがあって、選択肢が多かったので、“自分は何を伝えたいのか”を見極めていくのが楽しくもあり、難しかったかなって思います」とその理由を明かした。
脚本を書く上で気を付けたことについては、「何を題材にしようかと考えて、いろいろ選択肢はあったんですけど、男女の友情というところから着想していきました。見ている人たちが二人に混ざっているような“ドキュメンタリー”みたいな会話の流れになればいいなと思ったので、アドリブっぽく感じるかもしれないですけど、全部脚本通りです」と、笑顔で伝えた。
青柳の監督作品「いくえにも。」は、村上虹郎が主演を務めている。「演出に関しては、“あまりナーバスにならないように”というくらいですかね。歳が離れていて、一応後輩ですけど尊敬しているので彼(村上)にお任せしようかなって。すごく豪華なキャストに出ていただいたので、いい部分を切り取れるようにしたいと思いました」と撮影時のことを回顧。
作業で楽しかったことと大変だったことを聞かれると、「編集が楽しかったです。何テイク撮ったのかも覚えていたので、自分がこう言った後のお芝居とか、そこを改めて振り返ったりするのが楽しかったですね。苦労した点はそんなになかったです。もちろん悩んだりはしましたけど、それも含めて楽しかったですし、スタッフさんやキャストに助けられました」と答えた。
永山が監督・脚本を担当した「ありがとう」の主演は役所広司。「僕は“脚本”を書いたつもりだったんですけど、役所さんから現場で『このメモのようなもので…』と言われました(笑)。つたない脚本だったんですけど、それでも出演を許諾していただいて納得して出ていただきました。あまり細かいところまでは決めず、現場に来ていただいて、現場で起きたことを撮らせていただきたいですとお伝えしました」と、細部は現場で作り上げたと明かした。
監督業を振り返って、「全部楽しかったですね。脚本を書く段階、キャスティング、ロケハン、打ち合わせ、撮影、全部。普段は俳優として仕事をさせていただいてますが、脚本・監督という仕事は、初めてだからだと思うんですけど、全てが楽しくて有意義な時間でした」と達成感があった様子。
「アクターズ・ショート・フィルム2」全5作品はWOWOWオンデマンドで配信中。6月27日には「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」の模様も含めたドキュメンタリー番組がWOWOWで放送されることも決定している。
◆取材・文=田中隆信