6月25日(土)、土曜ドラマ「空白を満たしなさい」(毎週夜10:00-10:50、NHK総合)がスタートする。同作は平野啓一郎氏が「もしも亡くしたはずの大切な人にもう一度会えたら」という着想から執筆した同名小説が原作のヒューマンサスペンス。勤務先の会議室で目覚めた主人公・徹生(柄本佑)が帰宅すると、妻の千佳(鈴木杏)がおびえ、自分が3年前に死んでいたことを知る。死因に釈然としない徹生は、自分を恨んでいた男に殺されたのではないかと疑う、というストーリーだ。今回、放送を前に柄本佑、鈴木杏、平野啓一郎氏よりインタビューコメントが到着。ドラマの見どころや、もしドラマのように、自分の愛する人が生き返ったら、などについて語ってくれた。
ーー今回演じた徹生の印象はいかがですか?
父親を1歳の時に亡くしているのですが、どこか父親へのあこがれや、家族というものへの強い想いがあったのだと思います。自分が知ることのなかった父親の影を背負い、家族、息子に対して頭の中にいる父親像みたいなものを何とか体現し、幸せというものをつかみ取ろうとしている、非常にまっすぐでまっとうな人間......そんな印象があります。
ーーもしドラマのように、自分の愛する人が生き返ったら?
本当にそこに存在するかどうか確認しますよね。でも立っていられないだろうな。たぶん後ずさりして転ぶと思います。それこそドラマの中でもありますが、呼吸がおかしくなるでしょうね。すぐ触れられるかというと、それは定かではないですね。亡くなったと思った人が急に帰ってきたら、気絶するかもしれません。そのくらい衝撃があると思います。うれしいと言うのは、もうちょっと先だと思います。触る、ぬくもりを感じるというのも、もう少し後です。驚愕するという言葉では足りないくらい驚くと思います。
ーー撮影中で印象に残っていることは?
台本を読んだ時、阿部さん演じる佐伯とのシーン過激だなと思い、鈴木さん演じる千佳とのシーン過酷だなと思いましたが、始まると想像以上に・・・。そんな中印象的な事はスタッフの方々の気遣いと優しさです。本当に仲間に恵まれた現場でした。
ーードラマの見どころを教えてください。
復生して(死からよみがって)きて、自分の死因がわからない。自分はなぜ死んだのか? 誰かに殺されたのではないかと疑いながら、自分の死の真相を自分で明らかにしていくという、あまり今までにないミステリーの要素がありつつ、ある犯人像が出てきた時に、その犯人を追いかけるというサスペンスの要素がふんだんに盛り込まれています。でも一番コアの部分は、家族の愛を再確認していくということだと思います。どうやって千佳(鈴木杏)や息子の璃久(斉藤拓弥)は、3年いなかった夫・父を受け入れていくのか。徹生は3年という自分がいなかった時間をどう受け入れ、新たな一歩を踏み出せる状態までいけるのか。そこが最大の見どころになってくると思います。