仲野太賀、同年代の俳優の活躍に刺激「いい意味での悔しさとうれしさがあるんです」

仲野太賀 撮影:ブルータス海田

自分自身がエンタメのとりこに


――デビューから15年以上、俳優として活動している中でどんなことが原動力になっていますか?

僕自身が映画やドラマ、舞台を見るのが大好きなんです。そういう意味でエンターテインメントに対して自分自身がとりこになっているっていうことが一番の原動力だと思います。

自分もあんなすてきなお芝居をしてみたい、映画に出てみたいという思いに尽きるというか、憧れと直結しているかもしれないですね。とにかくいい作品にしたい、いい芝居がしたい。その気持ちは純粋なのかもしれません。

――普段、どんなことを考えながらエンターテインメントに触れていますか?

純粋にいちファンとして見ているし、俳優として作り手としても見ている部分はあります。本当にいろいろなことを考えていますね。考えているからこそ、お客さんになれるみたいなところがあって。

「これ、どういう表現なんだろう。何でこういうフレームなんだろう。あ、ここはカットバックがないんだ。この人のお芝居いいな」なんて思いつつ見ています。年々、映画やドラマ、舞台の楽しみ方が深くなっているような気がしてとても楽しいです。

同年代の俳優との絆「これから先も絆は深まる一方だと思います」


――いろいろな作品に出演する中で、同世代の俳優の活躍は刺激になりますか?

特に仲が良い友人は気になりますね。10年来とか、それ以上の関係が続いている友人が多いんですよ。それこそ、昔はジェラシーを感じ合っていたりもしていましたけど、俳優を辞めていく同世代の仲間もいる中で何とか生き残れているっていう思いもあるから、今では同年代の俳優が活躍していることがうれしくってしょうがないというターンに入ってきました(笑)。これから先も絆は深まる一方だと思います。

最近だとドラマ「ナンバMG5」(2022年、フジテレビ系)に出ていた間宮祥太朗ですよね。いい演技をしたっていうニュース記事を読んだからすぐ見てみたらホントによかったんですよ。何かそれから落ち着かないというか「あいつ、いい芝居してたな。よかったよな」なんて思いながら5分ぐらい部屋の中をうろついたりして(笑)。

そういう、いい意味での悔しさとうれしさがあるんです。それで「俺も頑張るか!」ってなるし、みんなでいい刺激を与え合っているのかなと思っています。

――もし、松尾さんのように自伝を書くとしたら、これは欠かせないと思うエピソードはありますか?

今、パッと出てきたのは23歳の頃に行ったインド1人旅。短い期間でしたけど、あれを経て成長したような気がします。それなりに大変でしたけど、それなりに強くなれました(笑)。


◆取材・文=月山武桜

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