――清野さんの覚悟によって、劇中の羌瘣はまさに“人間離れ”した殺陣を披露しています。完成報告会で王騎(おうき)を演じる大沢たかおさんも、清野さんのアクションシーンを絶賛していましたね。
「本当にやり切った」という思いはありました。今でも、撮影を思い出すだけで、体が熱くなってくるし、アドレナリンが出てくるような感じになるんです。それは、佐藤監督をはじめとするスタッフ、キャストの皆さんが、それぞれを信頼している現場だったので、「私もしっかり自分の持ってきたものを発揮しなければ」と思えたから。普段出せない力を発揮できた現場でした。
――ここまで清野さんを熱い思いにさせた「キングダム」という作品との出合いは、女優業を諦めなかった強い思いが導いたものとも言えるのではないでしょうか?
私は田舎育ちで、何も分からないまま、ただ漠然とお芝居がしたいと思って、上京してきました。最初は、アルバイトをしながら、俳優業をやっていましたが、全然結果が出なくて…。たまに地元に帰ると、みんながすごく心配して、友達にも「もう帰ってきたら?」と言われました。そう言われることが、とにかく悔しかったんです。私は、すごく負けず嫌いなので、この意識が逆に「絶対に負けたくない」という気持ちになって、今に至っています。
――清野さんは常に反省点を見つけ、克服しようと魂を燃やしているのですね。「一生満足しないと思います」とも言っていましたが、芝居を始めたときから気持ちは変わらないのでしょうか?
今も憧れは、ミラ・ジョヴォヴィッチ。彼女が私の原点です。彼女がいなければ、アクションもやっていませんでした。
◆取材・文=磯部正和
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