8月4日、映画『アイ・アム まきもと』の完成報告会が都内で行われ、阿部サダヲ、宇崎竜童、松下洸平、水田伸生監督が登壇した。
阿部は「こういうハートフルコメディーはあまりやったことがなかったので、すごく嬉しかったです」とオファーが来た時の気持ちを語った。そして、「宇崎さんが演じる蕪木(かぶらぎ)さんのことをすごく思っている役なんですけど、お会いするのは初めてです。そういう不思議な映画なんです。現場でも動いている宇崎さんを見たことがなかったから、『生きていたんだ！』って。写真しか見てなかったですから(笑)」と、撮影時に蕪木浩一郎役の宇崎と会ったことがなく、ここで初めて顔を合わせたことを明かした。
刑事・神代亨役の松下は、阿部との初共演について聞かれ、「ずっと舞台も映画も拝見してきたので、『本物だ！』って思いました（笑）。ずっと画面越しや客席から見ていた人が、この距離にいると、“まきもとさん”なんですけど、阿部さんなんです。その折り合いがつかなくて…。役者としてはやってはいけないんですけど」と反省しつつも、初共演が叶った喜びを表した。
さらに松下は、「水田監督と映画でご一緒したのは今回が初めてですが、初めてお会いしたのは、僕が出演した舞台の楽屋でした。僕を見るなり声をかけていただいて、面識はなかったのですが、劇場の裏でお話をしたのをよく覚えています。その後も何度か僕の芝居を見に来てくださって、『いつかご一緒できるように頑張らなきゃな』って思っていたところにこうして声をかけてくださいました。いろんなスタッフさんとかに『水田監督とご一緒したい』って言っていたので、口にするのは大事だなって思いました」と、水田監督の作品に出演したいという願いも叶ったことも伝えた。
エンディングテーマは、宇崎が歌う「Over The Rainbow」に決定。この曲はミュージカル『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが歌った劇中歌で、いろんなアーティストにカバーされて世界的なスタンダード楽曲になっている。「この曲はたくさんの方が歌っていて、いろいろ聴いたんですが全部素晴らしいんですよね。でも、誰もこのリズムでやっていないなと思ったので、中盤からレゲエのリズムを使ってみました」と、他にはない宇崎なりのこだわりを語った。
映画『アイ・アム まきもと』は9月30日(金)より全国公開。
◆取材・文＝田中隆信