上戸彩「エースをねらえ!」「アタックNo.1」にみる“スポ根ヒロイン”としての魅力

2022/08/10 08:30 配信

ドラマ レビュー

羨望と共感を集めるヒロイン像

「アタックNo.1」より、こずえ(上戸)と努(松尾敏伸)(C)テレビ朝日


いつしか目が離せなくなり、心から応援している自分に気づく。上戸彩が演じる“スポ根ヒロイン”は、そういう不思議な吸引力を持っている。

有能なコーチ陣に才能を見出され、見る見るうちに成長を遂げていく彼女たち。どんな追い風にも立ち向かっていく精神力、仲間をけして見放さない正義感の強さにはしばしば感心させられる。しかし、物語終盤になっても、手の届かない遠い存在には感じさせないのが面白いところ。

コートを降りれば、以前のような普通の女の子に戻っていく。こずえはサッカー部の同級生・努(松尾敏伸)、ひろみはバレー部の先輩である藤堂(吉沢悠)と恋に落ちるのだが、彼らの前でしか見えない乙女な表情に心がキュンとさせられる。一方、家族の前ではすっかり安心しきった娘の顔に。

「エースをねらえ!」より、ひろみ(上戸)と藤堂(吉沢悠)(C)テレビ朝日


そういった“日常”パートと、“スポ根”パートの使い分けが上戸彩は抜群にうまいのだ。憧れるところもあれど、共感できるところもたくさんあり、惹かれざるを得ない。そこにはバラエティ番組など、映像作品ではないところで、上戸彩が見せる飾らない人柄が活きているような気がする。

今年、芸能生活25周年を迎えた上戸彩。2児の母となった今も国民的女優であり続ける彼女の魅力がここにあり!といえる「エースをねらえ!」「アタックNo.1」をぜひこの機にイッキ見してほしい。


■文/苫とり子

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