その後、順調にキャリアを重ねた柄本佑だが、自分の出演した作品を見ると毎回のようにガッカリしてしまうという。それを母に言うと「何言ってんだ。この仕事は待つのとガッカリに慣れる仕事だぞ」と言われ、それが自分の座右の銘になった(「A–Studio」=前出)。彼は自らの哲学である「量のない質はありえない」を体現するかのように数多くの作品に出演。類まれな実在感で作品に説得力をもたらしている。
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊ザテレビジョン』2022年10月号