宮藤官九郎、記憶力低下に嘆き「最近は人の顔を覚えられない」

宮藤官九郎が、9月8日に都内で行われた主演ドラマ「すべて忘れてしまうから」の配信直前イベントに登場。阿部寛、Chara、岨手由貴子監督と共に作品の魅力などを語った。

今最も話題の作家の1人である燃え殻の同名エッセイを、国内トップクリエイターがドラマ化を手掛ける本作は、日本発のディズニープラス「スター」オリジナルドラマシリーズとして初めての配信作品となり、国内では9月14日(水)より独占配信、さらに順次世界配信予定。ハロウィンの夜に突如姿を消した恋人“F”を巡る、ミステリアスでビタースイートなラブストーリーが描かれる。

Chara「素に近い感じ」

これがドラマ初出演となったCharaは「音楽を愛する役ということだったんですけど、もろに素に近い感じでした」と役柄について説明。久々の芝居について「音楽を普段やっていて、よく見せようとすると緊張するので、余計なことは考えない」と意識しなかったことを明かすと、劇中での歌唱は「いつもと違う感じで楽しみました」とニッコリ。他のアーティストについては「いまヒットしている話題の人というよりはもっとマニアックで、私の大好きなアーティストさん方がたくさん出演しているので、その演奏は見ものだと思います」とコメントした。

一方、宮藤は本作の魅力について「彼女が急にいなくなって、普通はもっと必死に探すのかなと思ったんですけど、阿部さんの役があまり必死に探しているように見えない、そこがすごく楽しいなって。恋愛って人から見るとそんなもんなんでしょうね」と言及。続けて、「僕の演じる役の秘密が明かされるのは5話くらいからなのでそこまではただのバイト。せめて明かされるまでは見てほしいな」とアピールした。

宮藤「ヒントをもらうんですけど…」

そんな2人は、最近忘れて驚いたことを聞かれ、Charaは「忘れても怖いものはないですね。だいたい人は忘れる機能がついているから生きていけるんじゃないかな。私はそれをフルに使っています」とさらっと回答。すると宮藤は「最近は人の顔を覚えられない」と切実に語り、「どこで会ったか分からず、相手の人も覚えていないと感じてマスクをずらしてくれるんですけど、そもそもマスクをしている人だからずらされても分からない。仕方ないからヒントをもらうんですけど、結局分からないことが多いです」と諦め気味に嘆いた。

最後に、宮藤は「エッセイがベースになっていて、忘れがちな感覚を思い出させてもらえるような作品。ある意味ぜいたくな時間だなと思えるドラマだと思います」と答え、Charaは「すごく印象的な言葉を残す普通の人たちがきっと私たちの日常にも存在していて、きっとこのドラマを見ればそうやって感じる人が増えるんじゃないかな。この作品はそんなドラマなんですよね。参加できてうれしかった」と思いを語った。

◆取材・文・撮影＝永田正雄