山寺宏一「61歳なんて“まだまだ”」声優は常にチャレンジ

2022/09/13 19:00 配信

ドラマ インタビュー

声優・山寺宏一にインタビューを実施撮影=阿部岳人

アメリカ発のミステリー・コメディドラマ「マーダーズ・イン・ビルディング」シーズン1&2の日本語吹替版に山寺宏一が参加。山寺はこの作品にほれ込み、声優のみならず、日本語吹替版の発案・キャスティング協力にも携わっている。その経緯や作品にかける思い、また60歳を過ぎてなお精力的に活動を行う山寺のこれからについて聞いた。

アメリカコメディ界の大御所が主演

(左から)メイベル(セレーナ・ゴメス)、チャールズ(スティーブ・マーティン)、オリバー(マーティン・ショート)「マーダーズ・イン・ビルディング」シーズン1より(C)2021 20th Television


同作は、歌手・女優として活躍するセレーナ・ゴメスと、スティーブ・マーティン(以下スティーブ)&マーティン・ショート(以下マーティン)というアメリカコメディ界の大御所が主演。ニューヨークの高級アパートを舞台に、ポッドキャストの実録犯罪番組マニアという共通点で意気投合した3人が殺人事件の謎を追う物語。日本語吹替版はディズニープラス「スター」にて9月14日(水)より独占配信開始。なお、字幕版は同じくディズニープラスにてシーズン2最終話まで配信されている。

山寺が吹替えを担当するマーティン演じる“オリバー”は、おしゃべりで見栄っ張りな舞台監督。スティーブ演じる“チャールズ”は、かつて大ヒットした刑事ドラマで主演したが、現在はセミリタイア状態の俳優、吹替えは羽佐間道夫が務める。そんな、おじさま2人と孫ほど年が離れたセレーナふんする“メイベル”は、ヘッドホンをつけてまちを闊歩する今どき女子というキャラクター、吹替えは林原めぐみが担当する。

本当に好きな作品なので、自分が出ていなかったら嫌だなと思った

――この作品に参加するきっかけは?

僕はスティーブ・マーティンが大好きで、自分にとってのナンバーワン映画が「サボテン・ブラザース」(1986年)なんです。その作品にはマーティン・ショートも出ていて、その2人が出演する新作ドラマがあるということにがく然としました。それでドラマを少し見ただけで、これは好きだとすぐに分かりました。

ちょうど、字幕版のドラマが配信スタートした昨年の10月にディズニープラスのイベントに出演する機会があり、スタッフの方に「日本語吹替版を作らないんですか?」「ぜひ、私も出演したいです」というお話をしたんです。本当に好きな作品なので、自分が出ていなかったら嫌だなと思ったんですよ。

しばらくして、ディズニーさんから日本語吹替版制作決定のご連絡がありました。しかも、どの役を担当したいかという希望まで聞いていただけたんです。

――思いが実ったわけですね。元の作品では、出演俳優のほかに、どこに魅力を感じましたか?

センス、脚本、音楽…なにもかもが面白いですね。謎解きの犯人捜しというミステリーではあるんですけれど、コメディもあり、人間ドラマもあるんです。スティーブとマーティンによる往年のコテコテしたギャグもありながら、今どきの粋な会話もあり、さらに人間ドラマが入ってきます。孤独を抱えていたり、過去の失敗を気にしながら生きていたり、そんな裏側が垣間見えたときにグッとくるんです。