Chara、音楽のルーツは幼稚園の“帰りの会”「演奏する喜びを味わって、今につながっている」

Chara撮影:永田正雄/ヘアメイク:杉田和人 Kazuhito Sugita(POOL)/スタイリスト:山本マナ Mana Yamamoto/衣装協力:Maison MIHARA YASUHIRO

音楽を愛するところは同じ


――「Bar 灯台」に来る“M”(阿部寛)とカオルは長い付き合い。互いに同い年だということを認識しながらも本名を知らないという不思議な距離感が面白いですが、Charaさん自身が人間関係において心掛けていることは?

気を付けているのは、今いるこのメンツの中で私の役割は何なのか。割とはっきり発言するタイプだし、別に言わなくてもいいなと思った時は何も言わないけど、無視をするということもできない。自分の中の感覚で、これはお伝えしたほうがいいかなと思ったらちゃんと言葉にして話す役割をするようにしています。やり過ぎないようにしながら、自分の役割について考えていますね。

――カオルとご自身が重なる部分は?

実は子どもがいたり、かつて音楽をやっていたり。私は現役で歌ったり演奏をしたりしていますけど、音楽を愛しているっていうところは同じかなと。音楽を愛しているっていうだけで友達になれるし、ちょっとひと味違うおしゃれが好きだっていう点も似ているのかなと思います。

――劇中ではナレーションも担当!

ナレーション録りを始める前に、まずはどの声で行くのかを確認する作業に時間がかかりました。「Charaさんのままでいいです」と言われても、イメージしている声ってそれぞれ違うと思うんですよ。昔の声をイメージしていたとしたら、その頃よりも変わっているしなって思うし。立ちながらなのか、座ってリラックスした状態なのか。監督のキューきっかけで語り始めるのか、自分のタイミングでやっていいのかでも変わってくるので、何が欲しいのかを監督の岨手さんと確認しながら録っていきました。

阿部さんの演技を邪魔しないよう、ちょっとミステリー要素もある世界観なので不思議な感じが出ていたらいいなと思っています。

――映像と音楽のコラボも見どころの一つ。

私のシーンに関しては監督が使いたい曲の許可を取るためにプロデューサーが懸命に動いてくれたんです。そういう「何としてもこの曲でいきたい」という思いを実現させるための事前の準備がうれしかったですね。本番まであまり時間がないタイミングだったりしたので撮影の空き時間を使って必死に練習しましたけど、とてもすてきなシーンになったんじゃないかなと。

幼稚園時代に音楽のルーツが


――作品のタイトルは「すべて忘れてしまうから」ですが、Charaさんにとって今でも忘れられない、一生忘れることができない思い出は?

う~ん、そういうことはここでは話さないよね(笑)。でも、一つだけ話すとしたら幼稚園の年長さん「うさぎ組」の時に足踏みオルガンが教室にあったんですよ。いつも先生が「帰りの会」の時に弾いてみんなで歌いながら「さよなら」「さよなら」って言って帰るんだけど、その演奏を私がすることになったんです。先生から「代わりに弾いてみない?」って言われて弾いたんですけど、それが私にとって初めてのステージというかセッションだったんですよ。私の演奏に合わせてみんなが大きな口を開けて歌っているのが楽しくて。その時に演奏する喜びを味わって、それが今の仕事につながっているんです。

背が小さくておままごとでは赤ちゃん役をやっているけど、この子は音楽が好きだからオルガンを弾かせてみたらいいかもって先生が思ってくれたんですよね。私はその時のことを一生忘れないと思います。

身近にいる大人が子どもに何かをしてあげるきっかけってすごく大きい。子育てにもつながることだけどそういう「気付き」ができる大人になれたらいいですね。

――季節は夏から秋へと変わりつつありますが、この時期に食べたくなるものは?

街では栗やら芋やら松茸が出ている頃ですけど、それを食べているんじゃないかなぁ。食べたい人と食べたり、食べたい時に食べたりするとどんな食べ物もごちそうになるじゃないですか。デザートも好きだからやっぱり秋は芋系のものかな?

最近、お気に入りのコーヒー豆を見つけたから自分で淹れたコーヒーを飲みながら食べたいですね。

◆取材・文=月山武桜

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