<四畳半タイムマシンブルース>作品誕生秘話や苦労話を京まふ&舞台あいさつで語る

2022/09/20 21:36 配信

映画 アニメ

京まふ「四畳半タイムマシンブルース」スペシャルステージに浅沼晋太郎&中井和哉が登壇※提供写真

9月14日よりディズニー公式動画配信サービス「Disney+」独占配信中で、9月30日(金)より劇場版が3週間限定全国ロードショーされるアニメ「四畳半タイムマシンブルース」。9月17日開催の「京都国際マンガ・アニメフェア2022」でスペシャルステージ、18日には特別上映会後舞台あいさつが行われた。

「四畳半タイムマシンブルース」


本作は、TVアニメ化された「四畳半神話大系」(太田出版、角川文庫刊)と、実写映画化もされた上田誠による戯曲「サマータイムマシン・ブルース」が悪魔的融合を遂げて誕生した、森見登美彦による小説「四畳半タイムマシンブルース」をアニメ化したもの。

監督は、TVアニメ「四畳半神話大系」、映画「夜は短し歩けよ乙女」で、湯浅政明監督のもと主要スタッフとして参加した夏目真悟監督を中心に 、脚本の上田、キャラクター原案の中村佑介、音楽の大島ミチル、そして主題歌のASIAN KUNG-FUGENERATION、アニメーション制作をサイエンスSARUが担当する。

「四畳半タイムマシンブルース」京まふスペシャルステージ

【写真】浅沼晋太郎&中井和哉が着物姿で登場※提供写真


前作・TVアニメ「四畳半神話大系」から引き続き京都が舞台となる本作。9月17日、西日本最大規模の漫画・アニメの総合見本市「京都国際マンガ・アニメフェア2022」(通称:京まふ)の「四畳半タイムマシンブルース」スペシャルステージに、「私」役の浅沼晋太郎と樋口師匠役の中井和哉が、着物姿で登壇した。

12年ぶりに「私」を演じることについて、浅沼は「12年ぶりに演じることがすごくうれしかった反面、不安でしたし、緊張しました」と心境を吐露。さらに「『私』自身がちょっと成長しているなと。『四畳半神話大系』の頃はもっとどうしようもなかった(笑)。今回は、割と『私』が引っ張っていて、意外とまともに見えたんです。でも、成長を感じると同時に少し寂しくなる部分もありましたね。僕は、成長しない、どうしようもないダメ大学生の『私』が好きだったので」と、「私」を演じている浅沼ならではの目線で語った。

続いて、完成した作品を見た感想について、中井は「めっちゃ面白かった」ときっぱり。「自分が出ている作品を見返すのは自分の演技について考えてしまい苦手なのですが、本作はとにかく面白くて夢中になれる作品でした」と絶賛すると、浅沼は「うれしい」と喜びをあらわにした。

また、「四畳半神話大系」から12年振りの「四畳半」シリーズの新作となった本作について、浅沼は「今回は続編というよりは、ヨーロッパ企画の舞台『サマータイムマシン・ブルース』を『四畳半神話大系』のキャラクターたちが演じているイメージです。テレビシリーズをご覧の皆さんがご存知のあの関係が振り出しに戻っています。本作を見て『四畳半神話大系』を見返してもらえるとさらに楽しめます」とレクチャー。

さらに、本作でもナレーションを担当している浅沼は、「今回はSFに対する解説や状況説明を含むので、『四畳半神話大系』より丁寧なナレーションになっています」と言い、「四畳半神話大系」では「有益な情報は特にないので、BGMのように右から左に流れていくナレーションでいいと言われていた」とナレーションにまつわる秘話を話した。

加えて、「そのおかげで僕は舌が取れそうになりました(笑)」とオチをつけ、「人間に息継ぎって大事なんだなと実感しました」と、早口が特徴的なナレーションだからこその苦労を語った。

そして、樋口師匠について中井は、「『四畳半』シリーズに仲間入りできたことが楽しかったです。僕は『夜は短し歩けよ乙女』から樋口師匠を演じさせてもらいましたが、その時はすごく悩みました。(それまで樋口師匠を演じていた)藤原啓治さんのすごさも十二分に知っていたので」と、樋口師匠を演じる上での苦悩を語ると、浅沼は「僕は中井さんが樋口師匠役を継いでくださってうれしかったです」と感謝。中井は、初めて樋口師匠を演じた際は「緊張でガチガチだった」からこそ、「今回、再び樋口師匠を演じることができて素直にうれしかった」と心境を語った。

アフレコについて、浅沼は「12年前の自分を超えなきゃいけないとプレッシャーを感じていて、夏目監督が求めるスピードよりも早口になっていたんです。でも、ゆっくりにしたら『四畳半』ファンにガッカリされるんじゃないかと思っていて」と、不安を感じていたことを話した。すると中井は、「声優さんだったらこれぐらいの早さで読めますよねという前例を作るのはやめてくれ」と懇願する場面も。

最後に、中井は「本当に面白い作品です。くすっと笑えて温かい気持ちになって、夏が過ぎ去ってしまう寂しさと、季節が少し進んだすがすがしさを同時に味わえるような作品です」、浅沼は「悪魔的融合という言葉がキャッチフレーズに使われていますが、SFとラブコメディーと群像劇、いろんな要素が融合されていて、幕の内弁当みたいな作品です。2022年の夏の思い出にしていただければうれしいです」と作品について話し、イベントは幕を閉じた。