西垣が去った313号室に新たな足音が近づく。榎木田病院長が翔太朗の目の前に現れて、ニヤリと笑った。チャイコフスキー犯が石原医師だったことを話した後、313号室に集められた患者たちの話になる。翔太朗が「2年前に町田市で起きたコンビニ殺人事件の被害者は、病院長の息子だったのでは」と聞くと病院長が語り出した。
コンビニ殺人事件の被害者・三上誠一は、榎木田病院長と前妻の看護師・西垣の子どもで、誠一は榎木田の旧姓・三上を名乗っていたという。子どもができなかった玲子が我が子のようにかわいがり育て、誠一は見事国立大学の医学部に入学。榎木田の先代がようやく誠一を認め、榎木田の姓にしようとした矢先の事件だったという。
事件の日。誠一がコンビニの中でタバコを吸ってる人を注意した時に、目の前にいたのはコンビニ店員の後藤田とアルバイトの外国籍女性。店内に客としていたのが松井。コンビニの駐車場で、誠一がタバコ男とその仲間たちに殴られ蹴られしているのを、車の中で弁当を食べながら見ていたのが滝中。そのコンビニ前の焼肉店の店長・下塚は外でタバコを吸いながら、その様子を見ていた。しかも松井はスマホでその様子を動画撮影していた。
誠一が「間違ってることは誰かが間違ってると言わないと」と言うと、タバコ男は「そういう優等生が大っ嫌い」と言い、車から電動ノコギリを取り出す。止める仲間たちの制止を振り払い、誠一の体を腰から上下真っ二つに切断したのだった。
当時、そんな理不尽な事件をマスコミが面白おかしく取り上げた。中でも、津田が書いた「正義という名の自己満足」という週刊誌記事に特に腹が立ったという。さらに、それを基にドラマ化したテレビ東洋プロデューサーの山之内と翔太朗にも怒りが飛び火したのだ。
暗闇の中、榎木田病院長の妻・玲子が階段を降りていると、ここにも人影が。電気がついた時、玲子の後にいたのは看護師の西垣だった。するどい目で玲子を睨みつけ、「病院長と玲子が出会わなければ、自分と誠一を引き離さなければ、誠一は死ぬことはなかった」と我が子の死を悼む。
「自分も我が子のように誠一を育てた」と言う玲子に、「誠一を返して」と西垣が大きな器具を玲子に向けた。引き金を引くと重い音が鳴り響き、器具から出たのはくぎ。何回も重い音が鳴り響いた後、玲子が息絶えて倒れた。その玲子を見下ろし歩き始めた西垣も崩れ落ちる。西垣の心臓にもくぎが刺さっていて、息耐えてしまった。
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