<舞いあがれ!>さだまさし、五島名物「ばらもん凧」として舞を見守る“語り手”に「舞のおじいちゃんみたいな感じ」

2022/10/05 08:30 配信

ドラマ

作り手が「見据えているもの」がちゃんとしている作品

さだまさし※提供写真


ーー収録現場の雰囲気や、制作の様子はいかがですか?

台本だけ読んで想像でつけていくのと、実際映像に声をつけるのとでは全然違いますね。「ここ、ナレーションいらないなあ」と思ってしまうくらい、素晴らしい画(え)がたくさん登場します。収録の最初のほうは、演出の方から「もうちょっと明るいとどうなりますか?」とか、「もうちょっと押したらどうなりますか?」「もう少し『さだまさし』を出したらどうなりますか?」とか提案をいただいて、お互いに探りながらやっていました。いいところで綱引きができていれば最高ですよね。とにかく、「聞いてわかる」ようにするのはとても難しいです。僕は九州人でイントネーションが怪しいので、「アクセント辞典」を常に携帯して、鼻濁音などにも気をつけています。

ーー放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

子どもの頃はよく熱を出していた舞が、おばあちゃんの住む五島に預けられ、心と身体が健康になって、だんだんと彼女の自我が目覚めていくあたりから、どんどん面白くなっていきます。五島で出会った人々と「ばらもん凧」をきっかけに、舞は空を飛ぶことにあこがれ、人力飛行機の制作を経て、航空学校を目指します。もしかしたら、「舞いあがれ!」で舞の奮闘を見た若い女性のなかに、パイロットを目指す方が増えるかもしれませんね。

印象に残るシーンや、見どころも随所にあります。五島の景色は美しいし、お話にはちょっとホロッとさせられるし。登場人物はみんな、情にあつい、温かい人たちなんだけれど、それぞれに生活の苦労もあるし、情の行き違いもある。よかれと思ってする災いもある。意外な人が助けてくれたりもする。作り手が「見据えているもの」がちゃんとしている作品です。それから、長崎らしさがとてもよく出たドラマだと思います。「地元枠」として登場する医師役にもご注目ください。「あ~、長崎や~」って。ホーム感がばっちり出ます(笑)。

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