昭和21年。作家の修治(古川雄輝)が、家族を連れて東京から故郷に転居して数日たったある日のこと。執筆作業をしていた修治の元に、小学校の同級生の平田(笠松将)がやってきた。
「二十年ぶりか?」と言いながら、土の付いたわら草履を脱ぎ、ズカズカと家の中に上がり込んでいく平田。そんな平田を見ながら、修治は「威張ることしか能がない」という言葉がよく似合う男だったことを思い出す。
妻の美知子(阿部純子)は、“なに、あの人…”と修治をちらっと見る。「お前に引っかかれた傷だ」と手の甲についた傷を見せた平田は、「お前は二十年来の親友に酒も出さないのか」と偉そうに話す。
修治が高価なウイスキーを出してやると、平田はグビグビと飲み干し、「お前、東京に出ていたのが、自慢なんだろ?」と言ってきて、さらには修治の女房を呼び出し、お酌をさせようとする。
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