古川雄輝×笠松将、文学的な香りのする意外な結末を丁寧に表現<5分後に意外な結末 最終週>

2022/10/14 11:28 配信

ドラマ レビュー

古川雄輝×笠松将で太宰治の原作をドラマ化

そして2本目の古川雄輝笠松将がW主演した「親友交歓」は、「走れメロス」「人間失格」などで知られる文豪・太宰治の短編が原作。

昭和21年、家族を連れて東京から故郷に転居してきた作家の修治(古川)のもとに、小学生の同級生・平田(笠松)が20年ぶりにたずねてくる。ズカズカと家の中に上がりこんでくる平田を見ながら、「威張ることしか能がない」という言葉がよく似合う男だったことを思い出す。

「私ははっきりとものが言えない男」と自称する修治だが、酒を要求する平田に高価なウィスキーを出すことにし、「もう住む世界が違うんだということを分からせてやる」と考えるのだった。

そして平田の帰り際、「あまり偉そうにするな、お前何様だ」と言ってやるつもりだった修治。しかし、逆に平田は「お前、あんまりいばるんじゃねぇ。子どものころから見下すような目で人のこと見やがって。馬鹿にすんなよ、いったい何様だよ」と言って去っていったのだった。

平田に抱いた嫌悪感が、平田へのものだったのか、自分自身へのものだったのか、わからなくなってしまうというオチは、文学的な香りがするものだった。

横暴さが際立つ平田のことを修治が見下すように思っていたのも事実。修治の思いはモノローグでほぼ語られたが、古川は視線などで端々にその思いが見られる演技を披露。また、笠松も横暴さのなかに抱える思いを表現していた。

最終週の作品は、TVerにて主演した俳優陣のスペシャルインタビュー付きで放送後1週間無料配信。また、Huluでは第1週~第4週の全話を配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部