――阿部さんが演じる牧本は、全く空気が読めず、人の話を聞かない、ちょっと困った人です。そして、この男に翻弄されるのが松下さん演じる刑事の神代ですが…お二人は今回演じた役柄をどうとらえていますか?
阿部:最初に監督から言われたのは、映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994年)の主人公の男のようだと。とにかく真っすぐな人で、遺族が求めていなくても絶対に葬儀はやると決めているなど、きっと自分の中で完全に出来上がっているものがあるんでしょうね。食事に関しても毎日同じものを食べていて、しかもそれを立ったまま食べるという日々は、さすがに僕には無理ですけど(笑)、牧本みたいな人が身近にいたら、僕は気になってしょうがないですね。
松下:牧本さんほどではないにしろ、思ったことをそのまま言葉にするマイウェーな人っていますよね?
阿部:確かにいるね(笑)。
松下:僕は言葉を発する前に熟考してしまうタイプなので、そういう方を「うらやましいなぁ」と思うこともあるのですが(笑)、僕が演じた神代は、こちらがいくら説明をしても分かってくれない牧本さんに対してさじを投げるのではなく、「これが最後ですよ」と言いながら手を差し伸べるんです。それが神代の人間的な魅力だと思うし、彼にそうさせる牧本さんの魅力でもあると思います。
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