船越英一郎、山村紅葉、藤井流星らによる、パロディー要素満載の“新感覚刑事ドラマ”がスタート<警視庁考察一課>

2022/10/17 16:00 配信

ドラマ レビュー

10月17日より「警視庁考察一課」がいよいよスタート(C)「警視庁考察一課」製作委員会

考察一課内に“崖”!? 笑える演出に注目


企画の秋元は、「あなたの番です」(2019年)以降ネット上で定着しつつある“考察ブーム”に目を付け、「もし警察の中に、実際に『考察課』なる部署があったら、どういう捜査員たちが、どんな風に事件を考察するのだろう?」と考えたというのだから面白い。

さらに、その「考察課」にいるのは、かつて2時間ドラマで活躍した凄腕の刑事たち。それぞれ別の世界線で生きていた刑事たちが、また新たな世界で一堂に会し、今まで演じてきたキャラクターの個性を生かしたセルフパロディーを行っている。

長ぜりふや決めぜりふ、襟を立てたコート、ブラインドに指を引っ掛け目を細めて外を見るしぐさ、崖の要素など、数々の“船越劇場”もさることながら、顔のアップを下から見上げるようなカメラワークや、2時間ドラマでよく聞く音響など、随所に散りばめられたオマージュに制作陣の努力と愛を感じる。

また、山村のデスクには、ハローキティのグッズが大量に置かれていて、実際にハローキティが大好きだという山村本人の嗜好が反映されていたりもする。

さらに、「生首は久しぶりじゃない?」とうれしそうにする高島に、山村が喜々として「5年ぶり2回目よ!」と応え、すかさず徳永が「甲子園みたいに言わないでください」とツッコむ、このせりふ回しと流れも秀逸で、このほかにも思わず笑ってしまうせりふが多くある。

こういった細かな芸が同作の見どころの一つとなっており、これまで2時間ドラマや刑事ドラマを見てこなかった視聴者もすんなりと受け入れやすい、新たな刑事ドラマになっているのではないだろうか。事件の考察を楽しみながらも、俳優陣の演技合戦に注目したい。

大真面目にすっとぼけるベテラン刑事たちに、終始戸惑いを隠せずキョトンとしている藤井の対比もまた若い世代には平易であり、いいアクセントになっている。

また、船越、山村、西村、高島、名取、内藤の6人が横一列で歩いてくる、往年の刑事ドラマをほうふつとさせるオープニングにも注目だ。

警視庁考察一課」第1話は、10月17日(月)夜11:06よりテレビ東京系で放送。