2023年1月21日(土)、作家デビュー100周年を迎える江戸川乱歩の誕生秘話を描くドラマ「探偵ロマンス」(毎週土曜夜10:00-10:49、NHK総合)が放送されることが決定した。なお、制作は連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の制作チームが再結成して担当。濱田岳主演で全4話放送される。
20世紀初頭、帝都。
世界大戦による好景気は終えんし、超格差社会となり、街にはスラムがあふれ、スペイン風邪がまん延し、犯罪や強盗がはびこり、人びとはヒーローの誕生を待ち望んでいた。
のちに江戸川乱歩となる平井太郎(濱田岳)は、シャーロックホームズや怪盗ルパンなどを書いたドイル、ルブラン、ポーといった海外の推理小説家に憧れながらも、まだ何者でも無く、安い賃金の仕事を転々としながら、友人・初之助(泉澤祐希)と、その日の飯にありつくのがやっとの貧乏生活を送っていた。新聞社などに原稿を持ち込んでも全く相手にされない太郎の小説に、いつも感想を送ってくれる文通相手の村山隆子(石橋静河)が、唯一の心の救いだった。
そんな太郎が、初老の名探偵・白井三郎(草刈正雄)と出会い、ピンチにめっぽう強い三郎のユーモアとペーソスあふれる人柄に魅了される。一方、三郎は、純粋な太郎から飛び出す突飛な発想を面白がり、あふれ出る熱情や叫びに心動かされ、二人はバディを組み、探偵稼業へと乗り出していく。
謎の犯行予告状にはじまり、太郎は、上海帰りの魅惑の貿易商・住良木(尾上菊之助)や、秘密倶楽部の妖艶な女主人・美摩子(松本若菜)、太郎を見下す新聞記者の潤二(森本慎太郎)、三郎とは犬猿の仲の鬼警部・狭間(大友康平)、寡黙なバーのマスター伝兵衛(岸部一徳)など、癖の強い人々と出会い、大いに翻弄され、あげく難事件に巻き込まれていく。
やがて、太郎は覚醒し、明智小五郎や怪人二十面相など、乱歩作品おなじみのキャラクターが躍動する物語を生み出していく。
太郎は泥臭く、くさくさしちゃった人間味というのもすごく濃い人で、卑屈な若者、時代の波に飲み込まれた若者という印象です。難しい役柄なので演出と日々相談しながら演じています。
演出は、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(2022年、NHK総合ほか)、「心の傷を癒すということ」(2020年、NHK総合ほか)でご一緒した安達もじりさん。 誰もが信頼している数少ないディレクターの元で、台本の一番手に名前が載るようなポジションでやらせていただけるというのは、ものすごく役者冥利に尽きることです。現場は今、もじりさんが演出する人間模様や ハートの部分のやりとりとアクションシーンが化学反応を起こしつつあるところ。ゴールには必ずこの化学反 応が起きると思うので、視聴者の皆さまにも楽しんでいただけると思います。撮影を進めながら日々自信がついていくのを体感しているので、安心して楽しみに待っていてくださいね。
生きるのがなんとも面倒くさいと思うことが多々あり、そんな時にこんな名探偵がいてくれたら少しは日々が楽しくなるかな、とこの物語を書きました。
「若き日の江戸川乱歩が探偵に弟子入りを志願していた……?」
本当かどうかはわからない。けれど心躍る「もしも」を頂き、大正時代の帝都が舞台の活劇が生まれました。作家と探偵、探偵と怪盗、様々な人々の想いが、物語があふれ、ぶつかり合う。熱く咲くロマンスの世界をお楽しみください。とにかく草刈さん演じる名探偵・白井三郎が半端なくカッコいいです!!!!
久しぶりのドラマ劇伴音楽制作で、かなり気合いが入っています。
企画書を読んだ際に、僕の好きな世界観、憧れる大正時代でしたのでワクワクしました。クランクイン前のおはらい、京都撮影所と和歌山での撮影現場を見学させていただきましたが、実際の衣装、美術やセットを見ることで、よりイメージしやすくなりました。オープニングからエンデイングなどトータル
でやらせていただくので思う存分、大橋トリオの世界の全てをドラマに捧げたいと思います。
今面白いと思えるエンターテイメントとは何か。江戸川乱歩さんが書かれた数々の小説に「面白さのカギ」を探し求めて、スタッフキャスト全員でとことん試行錯誤してきました。エネルギーの塊のような坪田文さんの脚本。とにかくキャラクター豊かな登場人物たち。演じるキャストの皆さんの大人の魅力が爆発しています! 大橋トリオさんの音楽もめちゃくちゃ楽しみです! まったく新しいエンターテイメント作品になるのではとワクワクが止まりません! 撮影は後半戦、いまだ真夏のような熱さで撮影現場は勢いづいています! どうか年明けのオンエアを楽しみにしておいてください!!
企画・演出:大嶋慧介 コメント
若き江戸川乱歩さんが大正、昭和の都会の陰に怪人二十面相や黒蜥蜴、そして明智小五郎の活躍をどう夢想したのかに思いを馳せながら、「現代を生きる私たちが心躍らされるヒーロー、エンターテインメントって何だろう?」を最高の脚本、キャスト、スタッフで追求したのがこのドラマです。
フィクションだからこそ出来る面白さを、思いつく限りつめ込みました。
この虚実交錯する世界を舞台にしたロマンあふれる活劇が、みなさまの一日の気の抜ける一時となりますように。
若き日の江戸川乱歩さんが、探偵事務所で働こうと門戸を叩いた、という史実を、大嶋ディレクターが発見したことから、企画のすべてが始まりました。坪田文さんの魂込もったすごい脚本。集った最高のキャストに、熱きスタッフたち! こんなぜいたくなドラマをいまお届けできる幸せを日々かみしめております。多くは語りません。とにかく見てください。