──それで言うと、ドラマ、映画、舞台と出演作の続く現在のご自身の状況はどう捉えていらっしゃいますか?
ありがたいことに、よくそう言っていただけるんですけど、実際はそうでもないですからね。たまたま…ではないことはわかっていますけど、あえてそう言わせてもらいますが、今年は“たまたま”3クール連続でドラマに出て(TBS系「ファイトソング」、フジテレビ系「ナンバMG5」「魔法のリノベ」)、その間に主演映画(「破戒」)もあったから、めちゃくちゃ出てるように見えるだけです。去年なんかはそんなことなかったですし、ここ数年ずっと出ずっぱりというわけではない。だから僕自身はあんまりそういう感覚はなくて。
──「この勢いに乗っていきます!」ということもなく?
そうですね。勢いに乗るというより…すごく頑張って漕いでますからね。急にめちゃくちゃな追い風が吹いたというわけではなくて、勢いあるように見せるためにめっちゃ漕いだ、みたいな。
──ということは、現在の状況はある意味で予想通りですか?
予想通りというのも違うのかなぁ。「努力したから俺はここにいるんだ」と思うほど真面目でもないし。だけど、実際に1年の4分の3の期間ドラマに出ていて、主演映画もあったので、「すごくキテる」と見られることには納得はいきます。自分では「キテる…のかな?」というくらいですかね。
──そんな状況を経てひさしぶりの舞台出演となる「ツダマンの世界」への意気込みを、最後に聞かせてください。
稽古をしながらどんどん面白いものが肉付けされていっている感じがするので、自分も変に気負わずに、台本に書いてあるセリフややりとりを体現する喜びを素直に感じながら、手練れの共演者の皆さんに自分を預けてやっていければいいのかなと思っています。あとは、舞台はドラマなどと違って、しっかりと「観る」という体制ができているお客さんが、目の前で見るものじゃないですか。お金も払って、ほかの情報がない状態で向き合う。そういう観客の覚悟みたいなものを直接感じられるのもひさしぶりなので、その方達に「いいものを見れた」と思ってもらいたいです。同じ作品をやっているんだけど、毎日何かしらが変わっていくのが舞台。そこも楽しんでやっていけたらいいなと思っています。
■取材・文/小林千絵
撮影/曽我美芽
ヘアメイク/三宅茜
衣装/エトロ(エトロ ジャパン)
スタイリング/津野真吾(impiger)
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