<ドラマアカデミー賞>最優秀作品賞は「石子と羽男」『完璧じゃない彼らを愛してもらえたのならうれしい』(新井順子P)

2022/11/09 17:00 配信

ドラマ

「石子と羽男―」が第113回ドラマアカデミー賞で最優秀作品賞を受賞(C)TBS

有村・中村コンビの丁々発止のやりとりが人気に

第113回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞では、有村架純中村倫也主演「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(TBS系)が作品賞、主演男優賞(中村)、主演女優賞(有村)、助演男優賞(赤楚衛二)、監督賞(塚原あゆ子D、山本剛義D)の5冠を達成。同作は、4回司法試験に落ちた東大卒パラリーガルの石子こと石田硝子(有村)と、1回で司法試験に合格した高卒の弁護士・羽男こと羽根岡佳男(中村)のコンビが、誰にでも起こりうる珍トラブルに挑むリーガル・エンターテインメント。「主演2人の掛け合いが絶妙」など多くの人に評価された。

テーマは「声を上げる」ということ

新井順子プロデューサーは、同作のテーマを「『声を上げる』ということ」と語り、「誰にでも起こり得る問題をドラマにできたらと思っていました」と明かした。その言葉通り、"マチベン"である主人公たちは、映画泥棒、キックボード事故など、現代ならではの問題に向き合い、視聴者からは「法律が身近に感じられた」という声が寄せられた。

新井Pは初挑戦のリーガル作品を手掛けるにあたって、「弁護士というとスーパーマンのようなイメージがありますが、弁護士さんも普通の人間、何かが足りないから人間味があり、人に寄り添える、そんな主人公にしたいと思いました」と語る。そうして生まれた"石のように頭が固い"石子と、「型破りな弁護士」に憧れつつも予想外のことに対処できない羽男、それぞれのキャラクターが視聴者に支持された。演じた有村と中村は、それぞれ主演賞を受賞。新井Pは「完璧じゃない彼らを愛してもらえたのならうれしいです」と喜びを語った。
(取材・文=関川直子)