この作品はメフィストのキャラが圧倒的に面白いですね。悪魔は人を苦しめる怖い存在っていう決まりを藤子さんが大胆に捉え直しをしているところはやっぱり斬新だなと思います。主人公は、淡々としていて、無感情で、人間っぽくない人物ですが、僕はそういう人物こそ実は結構人間的だと思います。何を考えているかわからないようなイレギュラーな動きをする人っていますよね。そんな意外な人間と意外な悪魔が、意外な物語を作っていくところを是非ご覧いただきたいと思います。
又吉さんとご一緒できるという幸運に恵まれてとても嬉しかったです。佇まいから醸し出されるものが原作の漫画が持つムードそのままで、とても素敵でした。撮影が1日だけだったので、もっと観察していたかったです(笑)。遠藤憲一さんと又吉さんの掛け合いも、拝見するのがとても楽しみです。また、シリーズの他の回を観るのも、楽しみにしています。
このようなぶっ飛んだナンセンスな物語が40年以上前に書かれたとは驚きです。最初は原作ほどテンションを上げないでいこうと思っていたのですが、結果的に、はちきれた演技になりました。一言一句、台詞を繰り返し覚えつつも、一度壊さないとこの役は面白くないと思って、アドリブなのか台本なのか分からないような域に到達するようにしたつもりです。ナンセンスの中に人間の生命への深いメッセージがあるのが、藤子さんらしさですね。僕が悪魔に相談するとしたら、子供の頃の肉体の自由さを取り戻したいかな(笑)。