<吉岡里帆>確かな演技力とグラビア&CMで見せるギャップ…マルチな才能を持つ一流の表現者

2022/12/27 07:10 配信

ドラマ コラム

「白昼夢」にそんなシーンはなかったと記憶するが、いろんな吉岡里帆ワークスにいろんな紙・画面・舞台を通じて接していると、彼女に対して「何を求められているかを察知し、それを自分なりに咀嚼して表現する能力の持ち主」という印象が強まるばかりだ。

2014年にグラビア誌「週刊プレイボーイ」で初めて披露した撮り下ろしグラビアでの美しいボディーラインが話題となったグラビア活動、星野源との名コンビぶりも記憶に新しい“どんぎつね”のあざとかわいいCM。役者としての初期代表作ともいえる、ヒロインの娘の親友“のぶちゃん”を快演した「あさが来た」(2015~16年、NHK総合ほか)に加え、「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞 2017」新人賞や「ザテレビジョンドラマアカデミー賞」助演女優賞を受賞するなど、“魔性の女”役で注目を集めた「カルテット」(2017年、TBS系)、「第43回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞した2019年公開の映画「パラレルワールド・ラブストーリー」、主演映画「見えない目撃者」。

投げられたシチュエーションに応じて、常に安定した“返し”を入れる力を持ち、音楽の世界でいうなら、ファースト・コールと呼ばれるスタジオ・ミュージシャンのようだ。最も知的好奇心に富む人であれば現状に満足することは金輪際ないだろうから、やがてオルタナティヴだったりアヴァンギャルドだったりの方向に向かうのも時間の問題だと思われるが、とにかく吉岡は“多面体”であり、どの面を見ても喜びを与えてくれる。

そうした彼女に、また一つの大きな“面”が付け加えられる予感が漂う力作、それが「ガンニバル」である。

◆文=原田和典