渡辺一貴、高橋一生主演ドラマの制作への思いを語る「演出家としてはぜいたくで幸せな時間だなと」<岸辺露伴は動かない>

2022/12/25 06:00 配信

ドラマ インタビュー

飯豊まりえ“泉京香”(C)NHK

今までの二人の関係とは少し違う雰囲気になっています


――3期目にあたり、改めて進化している部分がありましたら教えてください。

1期、2期とこのチームで積み重ねてきたものを3期でどう出すかというのが大きなテーマですが、一生さんはこの2年間でいろいろなお仕事をして積み重ねてきた蓄積が、露伴という役にも深みを与えているような気がします。僕たちはこれまでと変わったことをしているとは思っていないのですが、1期の映像を見返すと表現の仕方が少し変わっていると感じる部分もあって、それは我々にとっても発見でしたし、ぜひ変化している部分を楽しんでいただけたらと思います。

――飯豊まりえさん演じる泉京香について変化した部分があればお聞かせください。

露伴と京香のやり取りというのはハードな展開の中でも安心して見られる部分があり、テンポの良い会話のやり取りは1期、2期と変わっていません。だた、今回は二人の関係にもちょっとしたアクシデントやトラブルが起きていて、今までの二人の関係とは少し違う雰囲気になっています。そういう部分も興味を持って見ていただけるかなと思います。

今回が一番作品のことに関して一生さんと話をしたかもしれません

――3期目ということで打ち合わせなどもなく自然と撮影に入れる感覚はありましたか?

いえ、今回が一番作品のことに関して一生さんと話をしたかもしれません。「ホットサマー・マーサ」は、細かいところに細かいメッセージが入っているので、それを読み解くのがとても楽しくもあり難しくもありました。なので、シーンごとに一生さんと考えをすり合わせながら「ここはこういうことだよね」というような会話をしていました。

「ジャンケン小僧」は、ジャンケンをする二人のバトルというシンプルな構造ですが、「ジョジョ」の世界でのスタンドバトルを、映像の世界に落とし込む時に微妙なアレンジをしていかなければならず、その塩梅みたいなものはすごくお話をしながら進めました。

――具体的にどのような部分の見え方が変わったのでしょうか。

露伴はいつも自分から危険に飛び込んでいってしまうのですが、今回の2作ではさらに自分の身を危険にさらしています。そういう意味で謎に対する向き合い方というのが第三者的というより、その中にどっぷりと入っていくという部分が今回は特徴的だと思います。ダイレクトに謎と対峙していく過程はこれまでよりも凄みを増していると感じています。